抄録
リン酸塩ガラス粉末にイオン交換水を混合するとリン酸鎖が切断され、長いリン酸鎖間に水を保持することで流動性を持つハイドロゲルが生成される。このリン酸塩ガラスハイドロゲルは室温付近において5 mS/cmという高い電導度を示すことがわかっており、燃料電池の電解質への応用が期待される。リン酸塩ガラスハイドロゲルは時間の経過、加熱により鎖状構造の切断が進行していく。そのため燃料電池の電解質への応用を考えると、長期間ゲル状態を維持し、高いプロトン伝導性を維持することが重要となる。そこで本研究では、Al3+イオン導入によるハイドロゲルの構造制御、燃料電池電解質への応用を検討した。