抄録
水熱固化法は建材の製造方法の一つとして重要な役割を担っている。主な製品はトバモライトを主構成成分としているためかなり純粋なシリカ源を必要とするが、不純物を少なからず含有する原料を用いることができれば原料の選択範囲が大きく広がりより有用性が増すことが期待される。そこで粘土鉱物などアルミナ成分を多く含有する鉱物を含むシリカ源を用いて水熱固化したときの反応について検討した。反応生成物として珪酸カルシウム水和物の他にハイドロガーネットが認められた。反応速度は純粋なシリカを用いた場合よりも遅いが、成形体の充填を上げることにより建材として利用可能な強度が得られることがわかった。