抄録
電気化学的手法による水溶液からのZnO薄膜の作製は、低コスト、簡便かつ大面積化が容易である。しかし、電解電流やpH等の電解条件が成長時間とともに変化するために成長速度が一定しない。従って、結晶性向上のための成長条件の最適化が困難である。この原因の一つとして、成長に伴う膜厚方向の電気抵抗の増大が考えられる。本研究ではこれを回避するために、成膜中の試料に紫外線を照射することによって生じる光励起キャリアを利用して膜を低抵抗化し、電解条件の安定化を試みた。その結果、電解条件ならびに成長速度の変動を抑制することに成功し、さらに成長速度の最適化による結晶性の向上を実現した。