抄録
排気ガスの浄化には,排気ガス温度の精密な測定による制御が必要不可欠となる.著者らは(Al,Cr,Fe)2O3系高温サーミスタ材料を開発し、従来の高温サーミスタ材料を一新し、1100℃の最高耐熱温度を有し,100_から_1000℃の広い温度範囲にて+/_-_10℃の高精度な温度測定が可能な「ワイドレンジ高温サーミスタ」を開発・量産化に成功した.当デバイスは、自動車排気ガスの環境問題を解決するキーデバイスとして排気ガス浄化システム用温度センサとして採用され、自動車分野への応用が拡大しつつある.この材料開発において,著者らは第一原理計算を積極的に利用し,材料開発の効率化を図ることに成功した.本講演では,第一原理計算と精密な実験の連携により,スピネル型MgCr2O4系材料について解析を行った部分を中心に解説する.