抄録
珪酸カルシウム水和物の一つであるトバモライトを炭酸化することによってリサイクルの可能性があることは既報の通りである。トバモライトは炭酸化によってカルサイトとゲル状のシリカを生成する。これを焼成することによってビーライトが得られる。ビーライトは通常1300℃程度の高温で生成する物質であるが、炭酸化を経由した場合、反応性の高いゲル状のシリカを含むために、通常よりも低温である750℃程度で生成した。本研究ではこの研究を一般の系に近づけるため、OPC‐シリカ系のシリカセメントを水熱養生して得られたトバモライトを中心とする材料について、リサイクルの可能性及び材料としての使用可能性についての検討を行った。