抄録
環境規制へ対応するために、世界中でSn-PbはんだからPbフリ_-_はんだへの移行が急ピッチで検討されている。プリント配線基板への実装用はんだについてはSn-3Ag-0.5Cuが実用化されているが、電子部品の内部接続用はんだは、電極が薄くかつ高温で接合されることから、このようなはんだで接合すると電極の溶食が生じる問題がある。このような要請に対して、一般的なPbフリ_-_はんだであっても、はんだに遷移金属を微量添加することによって、電極の溶食が抑制できることを見出した。遷移金属としてNiを選択した場合は、Cu母材との接合界面に通常形成される反応物(Cu6Sn5)ではなく、CuとNiが置換した(Cu,Ni)6Sn5を形成する。Cu6Sn5より熱に安定な接合界面となり、電極/はんだ間の拡散速度が低下したため溶食が抑制できる。有効元素にはNiの他、Al,Mn,Pd,Co,Fe,Znも見出している。