抄録
近年、安価な太陽電池として色素増感太陽電池(DSC)が注目されている。DSCはTiO2膜を電極とし、TiO2膜が優れた導電性、透明性、多孔構造を有するとDSC効率も向上する。通常この膜は焼結法で作製されるが、この手法には導電性の他いくつか問題が存在し、プラスチック化への期待からも低温下での新しい成膜法が求められている。 Aerosol Deposition(AD)法はセラミックスを室温で成膜でき、TiO2膜もこの方法で得られる。AD法によるTiO2膜は透明かつ半導性でDSCに適しており、他の酸化物と混合成膜し混合物を溶出することで多孔化も可能となる。本発表ではAD法によるTiO2膜の基本的な特性と、DSC電極作製の進捗状況について報告する。