抄録
メチルトリメトキシシランの加水分解・重縮合反応により、メチルシロキサン網目による新規エアロゲルを一段階合成した。出発組成に適切な界面活性剤と尿素を加えることにより、効果的に相分離を抑制し、透明度の高い均一なゲルを作製することが出来た。この材料は数十ナノメートルの平均細孔径をもつ繊維状組織からなり、一軸圧縮により約20%まで可逆的に変形した。また、溶媒蒸発による常圧乾燥においても、毛管力による圧縮応力に対して可逆的に収縮・回復し、細孔特性をほぼ保ったまま乾燥することが出来た。これらの力学的挙動は、三官能アルコキシド由来の柔軟な架橋構造と低い表面シラノール基密度に起因すると考えられる。