抄録
窒化ケイ素は難焼結性であり、通常焼結の際に比較的多量の助剤を用いる。焼結体内でガラス相として残存し、強度及び熱伝導率の低下といった問題を起こす。これを解決するためには焼結後、窒素圧下高温での熱処理(1950℃、8h、N2:0.1MPa/1.0MPa)を行い、粒界相の揮発及び粒成長を促進することで、強度と熱伝導率をともに向上できる可能性がある。そのためには、焼結助剤の選択が重要となってくる。本研究では、低い温度で蒸発し粒成長を起こしやすい酸化マグネシウム・酸化イットリウム・二酸化ケイ素系の焼結助剤を使用した。熱処理前後の熱伝導率酸素含有量と室温及び高温での機械的強度を測定した。