抄録
CDMA方式を採用した携帯電話通信では、1.9GHzでの通信に加え、800MHz・1.7GHzの周波数が使用されることになり、益々ハ゛ント゛ハ゜スフィルターの高性能化に対する期待が高まっている。高性能フィルターの一つとしてLaAlO3基板を用いた高温超電導フィルタが知られているが、ストリッフ゜ラインを形成する基板の損失がフィルタ全体の性能を左右するという問題がある。これまでの研究ではLaAlO3に少量のSrTiO3を添加したセラミックスでは誘電損失が大きく改善することが知られており、LaAlO3-SrTiO3系の単結晶材料は高温超伝導フィルタ用基板として非常に有望であると考えられる。本研究では、FZ法によるLaAlO3-SrTiO3系単結晶の育成を行い、得られた結晶の構造解析とマイクロ波誘電特性の測定結果から構造と特性の相関について詳細な考察を行った。