抄録
我々は先に、六塩化タングステンとヘキサクロロ白金酸を出発原料とし、ゾル・ゲル法を用いて水素ガスセンサ用Pt微粒子分散WO3(Pt/WO3)薄膜を作製し、その水素ガス応答性を評価した。本研究では薄膜の熱処理温度、膜厚、分散するPt微粒子濃度、水素ガス濃度等の応答特性に及ぼす影響について検討し、特性の向上を試みた。Pt/WO3薄膜の水素ガス特性は、熱処理温度350℃_から_400℃、膜厚500 nm_から_600 nm、Pt微粒子濃度(W:Pt=13:1.2)の条件下で最も高速応答を示すことが分かった。また、水素ガス濃度の違いにより光透過率が変化することも明らかとなった。これらの結果より、広範囲な水素濃度で高速応答する光検知式水素センサへの応用が可能であることが確認された。