抄録
ダブルペロブスカイト構造を持つBa2LaNbO6およびSr2LaNbO6セラミックスにおいて、LaのSr置換とNbのSc置換がBa2LaNbO6およびSr2LaNbO6セラミックスの電気伝導特性および結晶構造に及ぼす影響について検討した。(Ba,Sr)2(La1-xSrx)(Nb1-yScy)O6-zセラミックスは通常の固相反応法により合成し、結晶構造解析には、XRPDおよびリートベルト解析を用いた。さらに電気伝導率は複素インピーダンス法により測定した。XRPDの結果から単相であり、ダブルペロブスカイト構造を持つことが明らかになった。さらに、これらの固溶体において、電気伝導率はSrとScの置換量に大きく依存し、x=0.05で伝導率の改善が認められた。これは、置換した各サイトにおける価数の差により酸素欠陥濃度が増大したためであると考えられ、この系の電気伝導率は、結晶構造に大きく依存するものと考えられる。