抄録
カルシウムマイカが析出した結晶化ガラスのイオン伝導を高めるために,マイカ層間のCa2+イオンを高電荷密度化することを試みてきた.Ca2+イオンを高密度化することによって四面体層の Si4+イオンを減らし,Al3+イオンを増加させなければならない.しかし,網目形成酸化物であるSiO2の減少によってガラス化が困難となった.そこで本研究では中間酸化物であるAl2O3の一部を網目形成酸化物であるB2O3で置換したCaMg3Al(2-x)BxSi2O10F2(X=0.7_から_0.9)組成のガラスを結晶化させ,ボロン置換型高電荷密度カルシウムマイカ結晶化ガラスを作製した.X=0.7で核形成剤としてCaF2を0.1mass%添加し,800℃,1h熱処理試料は主結晶相としてマイカ結晶が多量に析出し,測定温度650℃で1.3×10_-_7(S/cm)の伝導度を示した.