抄録
窒化ケイ素/W複合材料を、WBのIn-situ反応を利用しホットプレスによって作製した。得られた焼結体のXRD観察の結果、焼結体中の主な構成相はβ-Si3N4, W, W2B, W2Cであった。また、EDXの結果、分散したW粒子の近傍にB、Nがリッチな部分が確認された。本材料を水中で摺動した場合、Wを添加していない通常の窒化ケイ素セラミックスと比較して、初期なじみの距離が減少するととともに低摩擦領域での摩擦係数の安定性にも優れていることが確認された。また、耐摩耗性もまた向上していることが確認された。