抄録
近年、ディーゼル車の排ガス規制に伴い、軽油中に含まれる硫黄成分の削減が図られている。しかしながら、その環境下で使用している摺動部材のトライボロジー特性が及ぼす軽油中の硫黄成分や潤滑性向上剤の影響は明らかでない。本研究では実摺動部品の組み合わせである窒化ケイ素-軸受鋼の組み合わせにおいて、高温燃料中のトライボロジー特性に及ぼす硫黄成分および潤滑性向上剤の影響について評価した。その結果、境界潤滑下における窒化ケイ素-軸受鋼間のトライボロジー特性は、硫黄濃度、試験片接触形態の違い等に依存することがわかった。