抄録
ゾルゲル法を用いて酸化ニオブ薄膜を作製した.酸化ニオブ薄膜は次世代高密度メモリーの容量絶縁膜として注目されている.ゾルゲル法で酸化物薄膜を作製する際は,出発原料に金属アルコキシドが用いられることが多い.金属アルコキシドは価格的に高価なばかりでなく,大気中で不安定であるため,その取り扱いを含めて,薄膜作製コストの増加につながっている.本研究では,出発原料に金属塩化物など,安価で取り扱いの容易な材料のみを使用し,低コストで高品質な酸化ニオブ薄膜の作製を試みた.出発原料として,塩化二オブのエタノール溶液を利用することで,全工程を大気中で実施しすることが可能となった.XRD測定の結果,ガラス基板上に結晶性の塩化二オブ薄膜が得られた.