抄録
CaSiAlN3は過去HuangらによりSi3N4—AlN—CaO系状態図研究における副生成物として報告がなされているが,これまで構造機能用途共に実用に供された例はない.近年Eu2+の付活により近紫外—可視光域で効率的に励起される赤色蛍光体となることが見出され,白色LED用途での普及が期待されている.現状におけるCaSiAlN3粉末の合成はCa3N2—Si3N4—AlN原料系を加圧窒素雰囲気中1600—1800℃で焼成後粉砕するプロセスにより行われている.本研究ではガス還元窒化法(GRN)をCaO—SiO2—Al2O3系に応用し,低温常圧下で酸化物原料からCaSiAlN3微粒子の直接合成を行う新プロセスを報告する.