抄録
固体半導体素子の材料としてSiCが用いられるなどの技術革新によって近年のスイッチング素子は高耐圧化および高速化の面において著しい進歩を遂げている。このような素子を用いることで、申請者らは数十ナノ秒程度のパルス幅でありながら、最高電圧50kVを超える極めて高エネルギー密度からなるパルス電源の構築に成功した。同時に、この電源を用いることにより、従来実現不可能であった大気圧でストリーク放電のみを発生するいわゆる大気圧プラズマの発生と材料合成に展開することが可能となった。また、最近、高周波電源を用いることで、大気圧において熱平衡状態と非平衡状態の中間から成る新しいプラズマ状態の合成に成功し、これを大気圧バルクプラズマと称している。本発表においてはこのような大気圧バルクプラズマの有する様々な特徴を生かすことにより、ナノ粒子の合成ならびに様々な基板への複合化が可能であることを紹介し、本手法の特異性について解説する。