抄録
シュウ酸塩の2段階熱分解法により、20nmから430nmの粒子径を持つチタン酸バリウム微粒子を合成した。これらの微粒子の誘電率を測定した結果、誘電率が粒子のサイズに大きく依存することがわかった。また、高輝度放射光X線回折によって結晶構造を詳細に検討した結果、チタン酸バリウムナノ粒子には内部とは構造の異なる表面層が存在し、その層の厚さは粒子のサイズに依存することがわかった。結晶構造の粒子サイズ依存性や温度依存性、他の物質の粒子構造を検討することにより、チタン酸バリウムナノ粒子の表面層の起源、表面層が誘電特性に与える影響などについて考察を試みた。