抄録
セリア-ジルコニア固溶体は酸素吸放出能(Oxygen Storage Capacity : OSC)を有し、自動車用三元触媒の必須成分である。しかし近年の規制強化に伴い、耐熱性および特性の向上が必須となったため、セリア-ジルコニア固溶体にナノレベルでアルミナを導入した新規なOSC材ACZを開発、実用化した。このACZの基礎特性を明確にし、更なる特性向上を目指した結果、アルミナのナノスケールでの導入(アルミナ拡散障壁)により、熱処理時の固溶体の粒成長が抑制され、OSC特性、特に酸素放出速度が向上することを明らかにした。更にACZを還元処理すると、その温度に依存してOSCの容量あるいは酸素放出速度が向上することが分かった。