抄録
現在までに、テルライト系透明ナノ結晶化ガラスを利用した二次光非線形性による波長変換機能(SHG)を有する光ファイバの創製に成功しており、今回の報告では実用性評価の一つとして伝搬損失測定の結果について報告する。透明ナノ結晶化ファイバ試料は、一段階目に結晶核形成、二段階目に結晶成長を目的とした二段階熱処理法をガラスファイバに施すことにより作製される。今回の実験では核形成時間を1時間から20時間まで変化させることにより伝搬損失の低減に成功し、中でも優れた伝搬特性を有する20時間の核形成を行った試料においては当初の目標値(0.1 dB/cm)を上回る0.07 dB/cmを達成した。