抄録
本研究では、まず水溶液系において均一な粒径を有する針状ベーマイト粒子を合成し、得られた粒子を、コロイドプロセスを用いて積層することにより、孔径が均一で、かつ空隙率の大きな多孔体の作製を試みた。アルミニウムの水酸化物ゲルを、140℃で一週間、水熱処理することによって均一な針状ベーマイト粒子を調製した。得られた粒子を各pHに調整した水溶液中に分散、吸引濾過を用いて徐々に分散媒を取り除くことにより、針状粒子の積層を試みた。粒子の積層体において、分散液のpHが中性に近い場合は粒子の凝集が顕著であったが、pH9近傍に調製した場合は、針状粒子の形態を活かした比較的均一な多孔体構造を得ることができた。