抄録
ビスマス層状構造強誘電体は、酸化ビスマス層(Bi2O2)と擬ぺロブスカイト層(Am-1BmO3m+1)が交互に積み重なった層状構造を持つ。ここでmは酸化ビスマス層に挟まれたBO6八面体の数を表す。本研究では、m = 3とm = 4からなるm = 3-4のBa系交代層構造において、m = 3とm = 4の積層状態を変化させた単結晶を育成した。周期構造は結晶の組成に依存し、育成時のフラックス濃度により変化した。分極特性では、一部に層欠陥(m = 4-4)が存在している結晶が、安定した周期構造の結晶よりも、良好な値を示した。これは、結晶中の層欠陥が分極反転の核となったためと考えられる。