抄録
圧電セラミックスの圧電特性を向上させる手法の一つに結晶配向付与がある。非鉛系圧電セラミックスの候補の一つであるビスマス層状構造強誘電体(BLSF)に対しては、テンプレート粒子成長法(TGG法)が適用されている。TGG法で作製したBLSFでは、テンプレート粒子の成長ではなく、マトリックス粒子の形状変化により結晶配向が付与される。本研究では、BLSFのプロトタイプであるBi4Ti3O12について微細構造変化の特徴を調べ、特にマトリックス粒子により結晶配向が付与されるメカニズムとして、テンプレート粒子上でのマトリックス粒子の濡れ拡がり(solid state spreading)が重要であることを明らかにした。