抄録
自己組織性によるナノ細孔構造を有する陽極酸化アルミナ皮膜は、これまで様々なナノ構造体の作製に応用されてきた。陽極酸化皮膜をテンプレートとして用い、細孔中に磁性材料や光触媒材料等の機能性材料を充填することにより、ナノロッドやナノチューブ等の様々な機能性ナノ構造体が作製された。しかしながら、これらに応用された陽極酸化皮膜は単一な柱状構造が主であり、作製されるナノ構造体も形状が限定されていた。そこで本研究では、まず孔状組織の深さ方向への形状変化に着目し、3次元構造を有する陽極酸化皮膜を作製した。また、この孔中にNiを充填することにより、3次元Niナノモールドの作製について検討した。