抄録
ポリマー原料の紡糸性や溶媒可溶性を利用し、熱分解過程を経て、繊維やコーティング等、複雑形状を有するセラミックスを合成する方法として前駆体法は広く知られている。
Si-O-Si(シロキサン)結合の示す無機特性と有機官能基の示す有機特性を併せ持ったポリメチルシルセスキオキサン(PMSQ)は1473K焼成後に83%と高いセラミックス収率を持ち、X線回折パターンではSiO2とSiCの存在が見られた。これらの結果からPMSQはSi-O-C系セラミックス前駆体として有用であると考えられ、他のシリコーンレジンとのブレンド前駆体やSiCナノ粒子フィラー添加前駆体を作製した。
本研究では、このPMSQをベースとした前駆体を調製し、Si-O-C系セラミックスコーティングを種々の基板上に作製し、走査型電子顕微鏡観察および硬度試験による評価を行った。