抄録
酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム、酢酸マンガンを出発原料として使用し、四層ペロブスカイト型構造(4H)をとる(Sr1-xBax)MnO3(0.0 ≤ x ≤ 0.5)を固相反応法により合成した。四層構造においてMnO6八面体は他のMnO6八面体と頂点および面を共有している。試料中の酸素量は0.0 ≤ x ≤ 0.3の範囲で3.000であったが、x = 0.4で2.982、x = 0.5で2.972であった。xの増加とともに格子定数(aとc)は直線的に増加しているが、リートベルト法による構造解析からMn―Mnの原子間距離はほぼ一定であることがわかった。4 K~650 Kの温度範囲での磁気測定から、試料は264 K~276 Kにネール温度(TN)をもつ反強磁性体であることがわかった。