日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2007年年会講演予稿集
選択された号の論文の590件中1~50を表示しています
  • 寺西 俊輔, 吉村 祥, 野口 祐二, 宮山 勝, 森吉 千佳子, 黒岩 芳弘
    セッションID: 1A17
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    近年非鉛圧電材料として注目されているBi0.5Na0.5TiO3(BNT)にBi0.5K0.5TiO3(BKT)とBaTiO3(BT)を固溶させた単結晶を育成し、強誘電・圧電特性の評価を行った。フラックス法を用いてBNT-BKT-BT単結晶を作製し、ICP-AESによる組成分析、強誘電ヒステリシス測定、圧電測定を行った。Bi0.52Na0.29K0.08Ba0.11TiO3単結晶は印加電界が20 kV/cm付近で電界誘起歪み曲線に不連続なジャンプが見られ、40 kV/cmで0.85%もの巨大な電界誘起歪みを示した。これは電界の印加により相転移が誘起されたことに由来すると考えられる。
  • 山田 一弘, 根本 正博, 晝間 裕二, 永田 肇, 竹中 正
    セッションID: 1A18
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    非鉛圧電材料の有望な候補の一つであるBi1/2K1/2TiO3(BKT)はキュリー温度Tcが約380 ℃と比較的高く、圧電定数d33も約100 pC/Nと非鉛系の中では比較的高いものとなっている。本研究では、BKTおよびBKTにBaTiO3を固溶させた2成分系[xBaTiO3 – (1-x)(Bi1/2K1/2Ti)O3](以下BTBKT100x)についての電気的諸特性を評価した。また、Bi4Ti3O12テンプレートを用いてRTGG法によって粒子配向することにより圧電特性や強誘電特性の向上を試みた。その結果、BTBKT70において無配向セラミックスの圧電定数d33が62 pC/Nであったのに対して、配向セラミックスでは83 pC/Nという値を得た。
  • 武田 浩太郎, 保科 拓也, 木村 敏夫, 横尾 圭祐, 村石 智光, 掛本 博文, 鶴見 敬章, 和田 智志
    セッションID: 1A19
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    [110]配向板状チタン酸バリウム粒子と通常の無配向チタン酸バリウム球状粒子を原料とし、テンプレート粒子成長法により[110]配向チタン酸バリウムセラミックスを作製した。原料粒子を種々の割合で有機溶媒中に分散させ、バインダーと可塑剤を入れてスラリーを作製した。これをドクターブレード法を用いてシート成形し、加圧積層後、脱脂・焼結を行い、セラミックスを得た。ロットゲーリング法による配向度決定、密度測定、微構造観察などのキャラクタリゼーションを行った。圧電特性は31振動子を用いた共振反共振法、及びd33メータにより評価した。[110]方位への配向度の増加に従い、d33は単調に増加するのに対し、d31はほぼ一定であった。
  • 北田 和也, 小舟 正文, 足立 渉, 嶺重 温, 矢澤 哲夫, 齋藤 寛之, 青木  勝敏, 水木 純一郎
    セッションID: 1A20
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    近年、地球環境保全の立場から高性能な鉛系圧電材料のジルコン酸チタン酸鉛(PZT)に匹敵する無鉛圧電材料の研究が熾烈に展開されている。その中で、イオン半径の小さい三価のBiをペロブスカイト構造のAサイトに固溶した化合物はBi3+がPb2+と同じ電子配置([Xe]4f145d106s2)をもつことから、鉛化合物と同様に優れた強誘電性と圧電性の発現が期待される。しかしながら、この化合物の合成はトレランスファクタ(t)の算出及び過去の実験に基づき極めて困難である。そこで本研究では、アンビル型高圧発生装置を用いて(BixLa1-x)(Ni0.5Ti0.5)O3 (x=0-0.5)化合物の合成を試みた。ペロブスカイト構造単相を得るためのプロセス条件ならびに結晶構造及び誘電特性を調べたので報告する。
  • 横尾 圭祐, 村石 智光, 保科 拓也, 掛本 博文, 鶴見 敬章, 森吉 千佳子, 黒岩 芳弘, 和田 智志
    セッションID: 1A21
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    現在使用されている多くの圧電材料は高い特性を持つ鉛系圧電材料であるが、近年鉛を中心としたいくつかの物質が人体に有害であるとされ代替材料が探索されている。そこで本研究では非鉛系圧電材料であるニオブ酸銀リチウム(ALN)に注目し単結晶の育成と圧電特性評価を行うことを目的とした。原料組成はAg0.875Li0.125NbO3とし3.0cm角程度の大きさの結晶を育成することができた。ICPの結果から結晶育成時にLiが減少することが確認され降温速度を調整することでこれを改善した。また分極処理の際に電場と温度制御に加え応力制御を行う装置を作製し、この新しい分極方法を用い分極処理を行うことで圧電定数の導出を行った。
  • 片山 真一, 野口 祐二, 宮山 勝
    セッションID: 1A22
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    Bi4Ti3O12(BiT)は有害な鉛を含まない強誘電体材料として期待されている物質であるが、電界を印加しても反転しないドメインの存在(ドメインピニング)によって残留分極(Pr)が小さくなってしまう問題を抱えている。本研究ではドメインピニングの主要因と考えられる酸素空孔の濃度が異なる結晶の3次元ドメイン構造を圧電応答顕微鏡によって詳細に観察した。高温でアニールし、酸素空孔濃度を増やした結晶のドメイン観察から、90°ドメイン壁が酸素空孔によって安定化されることを明らかにした。90°ドメイン壁と酸素空孔の相互作用が、BiTにおけるドメインピニングの起源であると考えられる。
  • 舟窪 浩, 中木 寛, 碇山 理究, 金 容寛, 横山 信太郎, 西田 謙, 斎藤 啓介
    セッションID: 1A23
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    (100)/(001)PbTiO3膜のドメイン構造は、1990年代に精力的に研究された。しかし1ミクロンを超える膜厚では、さらなる応力緩和のために、これまで知られていない新規なドメイン構造が存在することを見出したので報告する。
  • 勝又 哲裕, 高瀬 映裕, 稲熊 宜之, John Greedan, Jacques Barbier, Lachlan Cranswick, ...
    セッションID: 1A24
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    ペロフスカイト型酸フッ化物、PbFeO2Fは高温高圧下で合成され、結晶構造は立方晶である事が報告されている。しかし、当研究グループの一連の研究で立方晶PbFeO2Fは300℃でアニールすることで正方晶PbFeO2Fへと構造変化することが明らかとなった。本研究では正方晶PbFeO2Fを合成しその結晶構造について検討した。
  • 諸橋 倫大郎, 脇谷 尚樹, 木口 賢紀, 田中 順三, 篠崎 和夫
    セッションID: 1A27
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    ニオブ酸リチウムLiNbO3は優れた非線形光学効果、電気光学効果を示し、LiNbO3単結晶を用いた光スイッチ、光導波路などの個別光学デバイスが実用化されている。近年はデバイスの小型化・高速化あるいは省エネの観点から、LiNbO3の薄膜化に関する研究が盛んになりつつある。LiNbO3薄膜の作製法は多岐にわたり、中でもMOCVD法は優れた段差被覆性をもち、大面積成膜に適しており実用性の高い成膜法である。本研究ではMOCVD法により、Al2O3基板上にエピタキシャル成長したLiNbO3薄膜を作製し、薄膜の作製プロセスが薄膜の組成、結晶性、表面状態に与える影響を詳細に検討した。また、作製条件を最適化することにより、定比組成(Li:Nb=1:1)をもつエピタキシャルLiNbO3薄膜を作製することに成功した。
  • XinYan Yue, Rong Tu, Takashi Goto
    セッションID: 1A28
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    b軸配向、Ta置換したBaTi2O5多結晶体をアーク溶解法により作製した、BaTi2O5の誘電特性に及ぼすTa添加の影響を調べた。7mol% Ta2O5を添加したBaTi2O5は単一相であったが、10mol%以上ではBa6Ti17O40などの第二相が検出された。Ta2O5を添加したBaTi2O5多結晶体は、いずれも(020)に強く配向した。0.5mol%Ta2O5の添加量より、誘電率は著しく増大した。
  • 李 国軍, 塗 溶, 後藤 孝
    セッションID: 1A29
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    BaTi2O5 (BT2) ferroelectric ceramic was prepared by non-pressure sintering and SPS (Spark Plasma Sintering) using BaCO3 and TiO2 as starting materials. The multiphase powders with BaTiO3,BaTi2O5 and Ba4Ti13O30 was obtained by calcinations the mixed powder of BaCO3 and TiO2 at 900~1050 oC. The samples were prepared by SPS sintering the multiphase powders at 1150~1290 oC for 15min in vacuum with an applied pressure of 50MPa. XRD results show in the sintered samples, BT2 content increases with decreasing the sintering temperatures.
  • 升國 広明, 余野 建定, 増野 敦信, 大坪 史明, 荒井 康友, 依田 眞一, 茂木 徹一
    セッションID: 1A30
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    我々は酸素欠損六方晶チタン酸バリウムが巨大誘電応答を示すことを発見した。この物質の誘電特性は、酸素欠損量に依存しており、過剰な酸素欠損は誘電損失の増大につながる。そこで本研究は、熱処理により酸素欠損量を制御し、誘電特性の改善を図ることを目的とした。酸素を欠損させた六方晶チタン酸バリウム単結晶を出発物質として用い、これを種々の条件でアニールすることで、段階的に酸素を補充させた試料を作製した。それぞれの試料に対して誘電特性を測定したところ、酸素欠損量と誘電特性に相関があることがわかった。
  • 木口 賢紀, 林 聖悟, 脇谷 尚樹, 田中 順三, 篠崎 和夫
    セッションID: 1A31
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    TEM-EELS法(電子エネルギー損失分光法)において,50eV以下のLow-loss領域は価電子のバンド間遷移や価電子の集団励起(プラズモン励起)に関する情報を反映するため,誘電体のナノ領域の電子・光学物性評価が可能になる.本研究では,次世代光導波路デバイスとして研究を進めてきたPMN-PT薄膜について,局所領域の光学特性評価法としてTEM-EELS法の有効性について検討した.
  • 鈴木 一行, 西澤 かおり, 三木 健, 加藤 一実
    セッションID: 1A32
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    種々の電子デバイスにおいて、高誘電率を有する絶縁層が求められている。その中で我々はHfO2に注目し、化学溶液法による作製を行ってきた。これまで、高温での熱処理によってHfO2薄膜を作製し、その電気的特性や微構造などについて評価を行ってきた。しかし、素子構成によっては低温でのプロセスが要求される。そこで、低温でHfO2薄膜を作製するための原料溶液の調製と製膜プロセスの検討を行い、作製した薄膜の微構造や電気的特性の評価を行った。
  • 丸山 隼人, 大塩 茂夫, 西野 純一, 齋藤 秀俊
    セッションID: 1A33
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    大気開放型化学気相析出(CVD)法により作製されたHfO2-ZrO2酸化物薄膜は、液体窒素温度下で電子線を照射することにより紫外線を発光する。特に波長280 nm-300 nmに得られる発光は220 nm付近に得られると予測されるバンド端発光では説明できないほど波長が長く、この発光は電子格子相互作用に起因すると考えられる。電子格子相互作用の強さは光学誘電率、静的誘電率、格子振動数および有効質量の関数であることから、これらを測定することで電子格子相互作用が発光に与える影響を知ることができる。 本研究では、波長280 nm-300 nmの紫外線発光の原因を特定するために、大気開放型CVD法で作製したHfO2-ZrO2酸化物薄膜の静的誘電率を測定した。
  • 伊豆 典哉, 伊藤 敏雄, 申 ウソク, 松原 一郎
    セッションID: 1B17
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    粒径が約100nmである多孔質セリア-ジルコニア系厚膜は、酸素分圧変化に対して、高速に電気抵抗が変化することが知られている。本研究では、その厚膜および40wt%Pt/アルミナ触媒を有する新規なCOセンサを提案し、試作したセンサのCOに対する応答を調べた。その結果、330ppm以上のCOガスに対して厚膜の抵抗が変化することが確認できた。また、COに対する90%応答時間および66%応答時間はそれぞれ8sおよび2sであり、高速に応答することが明らかとなった。さらに、酸素濃度変化に対しては、ほとんど応答しないことが明らかとなった。
  • 西堀 麻衣子, 申 ウソク, 伊藤 敏雄, 伊豆 典哉, 松原 一郎
    セッションID: 1B18
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    熱電式水素センサの長期安定性は主にその燃焼触媒の長期耐久性による。本研究では、長期動作後の燃焼触媒の微細構造を透過電子顕微鏡で観察し、微細構造と耐久性の相関を検討した。また、エージングプロセスによるセンサの長期安定性と触媒の微細構造への影響についても考察する。
  • 松原 一郎, 伊藤 敏雄, 申 ウソク, 伊豆 典哉
    セッションID: 1B19
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    ポリピロールやポリアニリンがインターカレートした有機/酸化モリブデンハイブリッド材料は、抵抗値が変化することで、揮発性有機化合物に応答する。特にホルムアルデヒドやアセトアルデヒドガスに対して選択的に応答するため、センサ材料として期待されている。センサ応答は、検知対象分子が可逆的に層間の有機層に吸脱着することで誘起されていると考えられている。本研究では、応答機構を解明するために、ポリピロール(PPy)が挿入した(PPy)xMoO3の結晶を合成し、センサ特性を評価した。
  • 安盛 敦雄, 大垣 武, 牧野 充宏
    セッションID: 1B20
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    これまでディップコーティング法によりチタニア薄膜を作製し、さらに薄膜上に触媒金属であるパラジウムと白金を光電着法により担持して水素に対するセンサ特性を評価してきた。また水素ガスのセンシング機構として、水素が触媒金属上で燃焼する接触燃焼型であることを明らかにした。本研究ではチタニア薄膜上に櫛型電極を設けることで、水素ガスに対するセンシング作動温度の低温化および水素の低濃度領域での感度・応答性の向上を目的とした。電極間のギャップ幅を従来の1/10に短縮し測定抵抗値を低減することで、センサの作動温度の大幅な低下が実現した。
  • 伊藤 敏雄, 松原 一郎, 申 ウソク, 伊豆 典哉
    セッションID: 1B21
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    層状酸化物半導体の一種である酸化モリブデン層間に有機化合物をインターカレートしたハイブリッド材料は、VOCガスセンサに必要な信号変換機能と分子認識機能を、それぞれ酸化モリブデンとその層間の有機化合物に分担させることで、高い選択性と感度を有した新しいセンサ材料への応用が期待される。特に、その分子認識機能を担う層間の有機化合物を多様化させることで、種々のVOCガスに対する選択性を制御できるものと期待される。本発表では、ポリアニリン/MoOハイブリッド薄膜によるVOCセンサについて、従来の作製法を改良することで高感度化を達成し、数十ppbのアルデヒドガスの検知を可能とした。その詳細を報告する。
  • 濱上 寿一, 森 将来, 栗原 丈, 高田 雅介
    セッションID: 1B22
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    地球規模での環境問題や資源枯渇問題を解決するために、これまでの化石系燃料社会から水素エネルギー社会に移行することが考えられる。しかしながら、水素は可燃性・爆発性を有する危険なガスであるため、安全・安心な社会を構築するためには、水素の漏洩を安全かつ確実に選択・検知するセンサの開発が必要となる。そこで、本研究ではめっき法によりパラジウム薄膜を作製し、その水素センサ特性(680nmにおける透過光強度変化)を測定した結果について報告する。
  • 申 ウソク, ウレ リオネル, 伊藤 敏雄, 伊豆 典哉, 松原 一郎
    セッションID: 1B23
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    熱電式水素センサのマイクロ素子は、薄い誘電体薄膜メンブレンの上に、熱電薄膜、ヒーター、電極、触媒パターンを形成した構造を有する。本研究は、そのメンブレンを無くした、フリースタンディング型マイクロ素子の作製を試みた。メンブレンを除去するプロセス技術の開発と、フリースタンディング型の水素検知性能を報告する。
  • 不動寺 浩, 目 義雄
    セッションID: 1B24
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    ナノ粒子を集積するボトムアッププロセスの一つとしてマイクロ鋳型毛管力法(MIMIC)によるマイクロパターニングの研究を進めている。本発表では酸化スズナノ粒子(NanoTek)を配列したマイクロライン(幅:23um,厚さ:3.5um)のエタノールガスに対するセンシング特性を報告する。また、ガスセンサーの集積化の可能性についても議論したい。
  • 関野 徹, 板野 真也, 林 明日香, 楠瀬 尚史, 中山 忠親
    セッションID: 1B26
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    春日らにより、低温での溶液化学的手法を用いることでテンプレート等を一切使用することなく酸化チタンナノチューブが合成されることが報告されて以来、その構造やプロセスの影響、物性などについて盛んに研究されている。本研究グループではこうした酸化チタンナノチューブの光化学的機能などを報告するとともに、ドーピングによる電気的・熱的な機能化や、金属などとの複合化による高次機能化について報告してきた。これまで、化合物としてZnSナノ粒子と酸化チタンナノチューブを溶液法や気相法を用いて報告したが、今回はこれらTiO2NT/ZnSナノコンポジットについて、合成プロセスと構造の詳細に加え、光学的性質や電気的性質について発表する。
  • 柏木 英人, 諏佐 俊輔, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介, 川本 昂
    セッションID: 1B27
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    ナノカーボン材料は、電気伝導性、熱伝導性、機械的強度に優れており、電子放出材料、燃料電池の電極材料のみならず、ナノデバイスへの応用研究が進展している。我々はこれまでに、セラミックスに直接電流を流す結晶成長手法である通電加熱法を炭化珪素(SiC)に適用することによって、SiCの熱分解によるナノカーボン材料の合成が可能であることを報告してきた。本研究では、効率的なナノカーボン材料の合成を目的とし、様々な雰囲気圧の下において、通電加熱法によるナノカーボン材料の合成を試みた。発表当日は通電加熱法により得られた試料の電子顕微鏡観察の結果および光学的評価法を用いて測定した結果について報告する。
  • Yong Yang, masayuki nogami
    セッションID: 1B28
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    Recently, metal-nanostructured substrates with tunable SPR including nanorods, nanowires and nanotriangles et al., have been applied as SERS substrates to improve the sensitivity and reliability of conventional chemical and biological sensors.Here, these Ag nanoparticles with different shapes were self-assembled on glass substrates and served as ideal substrates for studying the single-particle SERS enhancement dependence of metal shapes by using near-field scanning Raman spectroscopy combined with in situ AFM.
  • 大木 智史, 大塩 茂夫, 西野 純一, 齋藤 秀俊
    セッションID: 1B29
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    シリコン(Si)基板上に成長させたZnO:Alウイスカーでは電界集中係数に限界がある。本研究ではウイスカー冷陰極の電界集中係数を増大させることを目的とし、炭素繊維にZnO:Alウイスカーを成長させて電界放射特性および電界集中係数を評価した。大気開放型化学気相析出(CVD)法によって炭素繊維上にZnO:Alウイスカー群を合成した。真空度<1×10-4 Pa中にウイスカー冷陰極と陽極とを電極間距離1 mmで配置し、電界放射特性を測定し、電界集中係数を評価した。炭素繊維上に成長させたZnO:Alウイスカーの電界集中係数は、Si基板上に成長させた場合の1000に比べ7000に増大することを確認した。
  • 林 克郎, 戸田 喜丈, 神谷 利夫, 平野 正浩, 細野 秀雄
    セッションID: 1B30
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    水素化物イオンH-をケージ内に包接させた12CaO・7Al2O3単結晶を用い、紫外線照射によって既に実証している絶縁体-導電体変換について、電子線照射による実証を行い、その効率を見積もった。25keVの電子線を500マイクロクーロン/cm2程度、照射することで表面層約4マイクロメートルの領域を完全に伝導体化することを観測した。永続的なキャリアーの生成は、電子励起による電子-ホール対のうち、電子がケージに捕獲され伝導をになうと同時に、ホールがH-に効率的に捕獲される事による。その収率は、電子-ホール対あたり0.02である。本材料を用いた、発光デバイスへの応用も提案する。
  • 西尾 幸真, 宮川 仁, 野村 研二, 林 克郎, 柳 博, 神谷 利夫, 平野 正浩, 細野 秀雄
    セッションID: 1B31
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    単位格子あたり12個のケージを有するナノポーラス酸化物12CaO・7Al2O3(C12A7)は、その結晶構造に起因した光誘起電気伝導性のような新奇物性の発現が期待できるユニークな材料である。本研究ではケージが量子ドットとして振舞うことを期待し、単電子デバイスの帯電島として機能させる目的で、電子線リソグラフィーおよび反応性ドライエッチングによりC12A7エレクトライド(C12A7:e-)ナノワイヤーの作製を行った。その結果、ワイヤー幅500 nmを有するC12A7:e-ナノワイヤーの電気伝導度として~33S/cmを得た。また電気伝導度の温度依存性(300~6K)より縮退伝導を示すことが確認された。
  • 井上 崇行, 野上 正行
    セッションID: 1C17
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    Nafionに代表される有機高分子電解質膜は,耐熱性に乏しく,非常に高価であるため,PEFCの実用化に大きな障害となっている.一方,ゾル-ゲル法により作製したハイブリッド膜は,安価で,柔軟性や耐熱性に優れる.本研究では,テトラメトキシシラン(TMOS)を用いてポリジメチルシロキサン(PDMS)を架橋させることにより,中温域で使用可能な電解質膜の作製を目的とした.非イオン性界面活性剤Brij56を加え,ナノ細孔を有する膜にしたのち,H3PO4に浸漬することでプロトン伝導性を向上させた.膜の伝導度は80℃,90%R.H.において1.8×10-3 S/cmであった.ハイブリッド膜の熱的安定性,弾性率および細孔構造と伝導度の関係について考察する.
  • 加藤 正樹, 片山 真吾, 坂本 渉, 余語 利信
    セッションID: 1C18
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、耐熱型プロトン導電性高分子電解質膜として、スチレン誘導体をベースとするシリコンアルコキシドおよびリン酸化合物を用いて、有機-無機ナノハイブリッド型電解質膜をゾル-ゲル法を用いて作製した。Si/P≧1の組成において、淡黄色の透明な自立膜が得られた。リン酸基は共重合および重縮合によりシロキサン骨格に化学的に固定化されており、膜は柔軟かつ良好な耐熱性を示した。膜は飽和水蒸気圧下では130℃まで温度上昇とともにプロトン導電率も上昇し続けた。また、低加湿条件下でも比較的高いプロトン導電性(10-4~10-3 S/cmオーダー)を示した。
  • 野田 健太郎, 春日 敏宏
    セッションID: 1C19
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    オキシ塩化ジルコニウム八水和物と正リン酸を用いて、層状構造を持つリン酸ジルコニウムを含有した物質を作製することに成功した。この物質は可塑性を持ち、加圧成型により緻密で柔軟な膜状に成型できる。この膜は、100 ℃以上の無加湿環境下において10-1.8 S/cm以上の高い電導度を示すことから、中温型燃料電池電解質としての応用が期待できる。
  • 冨本 佳佑, 池邉 由美子, 坂 えり子, 片平 幸司
    セッションID: 1C20
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    高温型プロトン導電体であるCaZrO3系はCaZr0.9In0.1O3-δ組成の試料において焼結性に優れ、導電率が高いことが報告されている。一方、Inを添加したSrZrO3系プロトン導電体に関しては、未だ報告が少ない。そこで我々は、Inをドープすることにより高性能なSrZrO3の開発を目指している。これまでに20mol%~60mol%のIn添加した試料において、1500~1650℃での焼結温度の条件により粒成長が促進され、導電率が向上することを報告した。本報告では、InをドープしたSrZrO3において、測定温度条件を変えた場合の導電挙動について詳細な評価を行ったので報告する。
  • 鈴木 智史, 永井 正幸
    セッションID: 1C21
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    燃料電池用電解質としての応用を念頭において, リン酸処理石膏の結晶構造とプロトン伝導性を広い温度範囲条件下において評価した. 試料の結晶構造は熱処理後は安定であった. 17重量%リン酸水溶液により処理した石膏は200°C, 加湿を行わない条件下において7×10-4 S/cmの導電率を示した.
  • 井口 史匡, 佐多 教子, 鶴井 隆雄, 湯上 浩雄
    セッションID: 1C22L
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    中低温作動固体酸化物型燃料電池の固体電解質として強い注目を集めているペロブスカイト型プロトン導電体であるY添加BaZrO3は、焼結性、高い粒界抵抗が実用化に向けた課題となっている。本研究では未だ明らかになっていない高い粒界抵抗の原因を明らかにする為に、添加物濃度を制御したBaZrO3緻密焼結体を作製し、その微細構造とプロトン導電性の関連性を研究した。
  • 海谷 裕之, 鈴木 真也, 宮山 勝
    セッションID: 1C23
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    リチウムイオン二次電池の正極材料であるLiMn2O4はクエン酸ゾルゲル法により低温合成することで高出力化に有利な微粒子を得ることができるが、熱処理時に前駆体が燃焼することによって不均一な粒成長が起こってしまう。そこで本研究では適当な熱処理条件により前駆体の燃焼を抑制することで、LiMn2O4の微細構造を制御し、その出力特性を評価した。前駆体の燃焼が起こった試料の粒径は50~200 nmであったのに対し、前駆体の燃焼を抑えた試料の粒径は70 nm程度であり、均一な粒子が得られた。また、10 A/gという高電流密度時の放電容量はそれぞれ46、74 mAh/gであった。前駆体の燃焼を抑えることで微細構造を制御し、出力特性を向上させることに成功した。
  • 大久保 將史, 工藤 徹一, 周 豪慎, 本間 格
    セッションID: 1C24
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    リチウムイオン2次電池の正極としては、従来マイクロオーダーの粒子が使用される。しかしながら、微細なナノメートルオーダーの粒子の正極材料を用いることで高速充放電を達成することが期待される。本研究では、ナノ結晶LiCoO2における合成、構造、及び高速リチウム拡散の特性を調べた。
  • 印田 靖, 加藤 高志, 馬場 守
    セッションID: 1C25
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    酸化物系のリン酸ガラス中にNASICON型の結晶構造を有するLiTi2P3O12系の結晶を析出・成長させたガラスセラミックスを開発した。このガラスセラミックスは、大気や水分に対して非常に安定でありながら、10-4Scm-1以上の高いリチウムイオン伝導性を有する固体電解質である。このガラスセラミックスに、正極材としてLiCoO2系正極材を、負極材としてLi4Ti5O12系負極材をそれぞれ電極として組み合わせ、リチウムイオン二次電池を試作した。試作した電池の充放電測定の結果、室温においても繰り返し充放電可能であることが確認できた。
  • 林 晃敏
    セッションID: 1C26A
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    近年、リチウムイオン二次電池の大型化、高エネルギー密度化に対する要望から、電池の安全性、信頼性の一層の向上が求められている。その抜本的解決策として、従来の有機電解液を不燃性の無機固体電解質に置き換える「電池の全固体化」が注目されている。全固体電池を実現するためのキーマテリアルの一つが、液体電解質に匹敵する高い導電率を示す固体電解質材料である。ガラス材料は、イオンの伝導に有利な開放構造を有すると共に、結晶化により準安定結晶相を形成させやすいという特長を持つ。本研究では、融液超急冷法やメカノケミカル法を用いて、Li2Sをベースとする様々な硫化物ガラス電解質材料を開発し、特性と構造の相関について検討した。また高容量電極として有用なスズ含有ガラス材料を作製し、ガラスの局所構造の観点から電極反応機構を調べた。さらに、本研究で開発したガラスベース材料を固体電解質と電極の両方に用いた「オールセラミックス型全固体リチウム二次電池」を構築した。
  • 本多 淳史, 檜貝 信一, 和田 信之, 坂部 行雄
    セッションID: 1C28
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    リチウムイオンを吸蔵可能、かつ高いリチウムイオン伝導性を示す物質としてLixFeS2が知られているが、リチウムの挿入脱離に伴う格子変形、相転移挙動などの諸物性が明確ではない。本研究ではLixFeS2結晶構造のリチウム量による変化について第一原理計算を行い、x=1.5における構造相転移の存在を示唆する結果を得た。また電子状態を解析した結果、相転移前後で電子伝導性が大きく変化する可能性があることがわかった。
  • 千葉 一毅, 木嶋 倫人, 早川 博, 高橋 靖彦, 井手本 康, 秋本 順二
    セッションID: 1C29
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    リチウムイオン二次電池に使用されているLiCoO2は層状岩塩型構造を有している。このような層状構造は、リチウムイオン挿入脱離反応に有利であるため、電池電極材料として注目されている。一方、アルカリチタン酸化物は、スピネル型構造を有するLi4Ti5O12などが電極材料として検討されているが、層状構造をとる化合物については、電気化学的特性が不明なものが多い。今回、層状構造をとる三チタン酸塩Na2Ti3O7のイオン交換体であるH2Ti3O7を出発物質としてソフト化学的に処理したH2Ti6O13について、電気化学的リチウム挿入・脱離挙動について調べたので報告する。
  • 鈴木 真也, 石川 佳奈, 宮山 勝
    セッションID: 1C30
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    種々の剥離・再積層プロセスで得た四チタン酸ナノシートの再積層体の高速充放電特性を試験した。四チタン酸ナノシートは層状構造を持つ針状四チタン酸と水酸化テトラブチルアンモニウムとの反応によって、四チタン酸の層間を剥離することによって得た。種々の溶媒に分散させたナノシートを再積層させ電気化学測定用試料を得た。メタノールを溶媒に用いたプロセスで得たチタン酸ナノシート再積層体の容量は180mAh/gであり、1A/gという比較的大きな電流密度時に140mAh/gの容量を保つなど、容量・ハイレート特性ともに水を溶媒として用いたプロセスで得られるチタン酸ナノシート再積層体と比較して優れたリチウム電池電極特性を示した。
  • 原 幸宏, 杉本 渉, 高須 芳雄
    セッションID: 1C31
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    &Alpha-NaFeO2型NaRuO2は0.25nmのRuO2層とNa+が交互に積層した層状構造を有する。NaRuO2と水を反応させることで脱Naと同時にRuが一部酸化されたNaxRuO2・nH2Oが得られる。このNaxRuO2・nH2Oとアルキルアンモニウムと反応させたところ,有機のインターカレーションは認められなかった。一方,NaRuO2を臭素溶液と反応させて得られたNaxRuO2・mH2Oをテトラブチルアンモニウム水溶液と反応させたところ,テトラブチルアンモニウム/RuO2層間化合物が得られた。さらに,この層間化合物を水分散させることで新規なナノシートが得られた。ナノシートは電気化学キャパシタ用電極材料として有望であった。
  • Chii-Shyang Hwang, Chiau-Lin Nian, Chih-Hsiang Liang
    セッションID: 1C32
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    The electrode materials of supercapacitor are important research targets, recently. Manganese oxide is one of the promising electrode materials. The specific capacitance of manganese oxide are affected by many factors, however, until now there is no any report about the contribution of each factor to the specific capacitance of manganese oxides. This study tries to prepare the manganese oxide film on the titanium metal plate by galvanostatic anodic deposition to get the electrode membrane of capacitors. The Taguchi method was used to analyze the contribution of deposition temperature, current density, Mn(CH3COO)2 4H2O concentration and pH to the specific capacitance of manganese oxides. The cyclic voltammetry was used to test the pseudocapacitor behavior and specific capacitance in 0.1 M Na2SO4 solution. The results showed that the sequence of factors with respect to the contribution to specific capacitance of manganese oxides were the deposition temperature, current density, interaction between deposition temperature and current density, and concentration of Mn(CH3COO)2 solution.
  • 川口 晋之介, 目崎 拓也, 大塩 茂夫, 西野 純一, 齋藤 秀俊
    セッションID: 1D17
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    大気開放型化学気相析出過程によるY2O3膜の合成過程は次のように考えられる。 Y[C9H15O2]3 + 3H2O → Y[OH]3 + 3[C9H16O2] 2Y[OH]3→Y2O3+3H2O この反応式が正しいなら原料における水のモル比を上げれば原料の分解反応を促進することができる。加熱した洗浄瓶を用いて原料Y[C9H15O2]3対水分モル比1:0から1:175までの水分添加を行った。真密度を考慮した物質量による膜の堆積速度を求め、より正確な活性化エネルギーを算出した。全てのモル比条件で活性化エネルギーは49±2 kJ/molの範囲に収まったが、水を添加することで頻度 因子が0.46から最大0.63へ増大したことを確認した。よって提案した反応過程は正しいことを確認した。
  • 川口 晋之介, 大塩 茂夫, 西野 純一, 齋藤 秀俊
    セッションID: 1D18
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    大気開放型化学気相析出(CVD)法は、大気中に存在する水と酸素を利用して酸化物膜を合成する手法である。水は原料である金属錯体を分解する役割を持ち、酸素は酸化物膜を形成するために必要な成分となる。従来の熱CVD法では、合成温度の高速化を狙うためには反応温度と原料供給量を上げるが、基板表面における化学反応が平衡状態に達するため、この手法だけでは合成速度の高速化に限界がある。本研究では更なる高速化を狙うために、気相中の反応素過程を検討した。水と酸素に注目し、反応素過程の堆積速度にかかわる活性化エネルギーと頻度因子を求めることにより、どちらが反応律速を司る因子であるか検討を行った。
  • 岩澤 順一, 西水 亮市, 松村 暁彦, 常田 昌広, 清原 正勝, 植松 敬三
    セッションID: 1D19
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    エアロゾルデポジション(AD)法は、加熱工程を全く必要としない新しいセラミックス膜の形成方法である。そのため、ガラス、金属、セラミックスなどの各種基板上にセラミックス膜を室温で直接形成することができる。AD法により作製した膜の特徴は、ガラス質からなる粒界相が実質的に存在しないこと、密着強度が大きいこと、膜を構成する結晶子のサイズが小さいこと等が挙げられる。近年、半導体製造分野におけるエッチング技術はウェットプロセスからドライプロセスへと移行している。その内、プラズマエッチング技術はハロゲン系の腐食性ガスを用いるため、半導体製造装置を構成する部材には耐プラズマ性に優れた材料が求められている。本研究では、AD法により緻密なイットリア膜の作製を試み、その耐プラズマ性について評価を行った。
  • 西水 亮市, 松村 暁彦, 岩澤 順一, 常田 昌広
    セッションID: 1D20
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    エアロゾルデポジション法(AD法)は,セラミックス微粒子をエアロゾル化し,基板に直接吹き付けてセラミックス膜を形成させる方法である.また,AD法は焼成プロセスを必要としないため,多種の基板にセラミックス膜を形成可能な手法である.近年,半導体製造装置用の部材にはプラズマに対する耐食性が求められ,耐プラズマ性に優れたイットリアが注目されている.AD法を用いて作製されたイットリア膜は表面にポアが少ない緻密な膜であることから,半導体製造装置用の部材として応用可能であると考えられる.前述した部材として用いられる為には,耐プラズマ性だけでなく,実使用環境化における熱衝撃特性も必要となる.本研究では,AD法を用いて作製したイットリア膜の耐プラズマ性及び熱衝撃特性について評価を行った.その結果、膜の剥離が無く,機械的特性が変化しないことが確認された.
  • 松村 暁彦, 西水 亮市, 岩澤 順一, 鳩野 広典, 常田 昌広
    セッションID: 1D21
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
     エアロゾルデポジション法(AD法)はセラミックス微粒子をエアロゾル化し、基板に吹き付け、その基板上に直接セラミックス膜を形成させる方法である。AD法は室温で製膜ができ、数μmから数十μmの膜厚の制御が可能である。近年、AD法を用いて優れた電気的、機械的、光学的特性をもつイットリア膜が得られ、半導体製造装置部材へ適応可能であることが示された。本研究では、このイットリア膜を、半導体の吸着固定に用いられてきた静電チャックの誘電層に適用し、従来達成困難であった絶縁性基板の吸着固定を試みた。その結果、数十μmのイットリア膜をファインピッチ電極上に形成させることにより、絶縁性基板に対して室温、低印加電圧にて高い吸着力を発現させることに成功した。
  • 野村 浩, 山口 哲央, 松本 峰明, 松原 秀彰
    セッションID: 1D22
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    EB-PVD法による成膜した熱遮蔽膜はナノポアを多数含んでおり、これにより遮熱効果が得られている。しかしながら高温では、ナノポアが消滅することで熱遮蔽膜自体に収縮が起こり、密着している基材との界面に歪みが生じて膜がはがれることがある。そこで本研究では、JFCCの持つ計算手法により、基材上の多孔質膜におけるナノポア消滅過程と、基材と膜界面に生じるひずみ等を検証する。
feedback
Top