抄録
Y2O3に希土類元素であるErと遷移金属元素であるNiまたはMnをそれぞれ1 mol%添加して焼結した際の緻密化挙動を検討した。純Y2O3では焼結温度1300 ℃で相対密度が72 %であるのに対し、NiやMnを添加した場合は99 %に達した。SEMおよびHRTEM観察の結果、異常粒成長や粒界にアモルファス相や第二相は見られなかった。HRTEM-EDS分析からは、Erは粒内・粒界共に存在しているが、NiやMnは粒界に偏析していることが分かった。緻密化促進の理由は、粒界偏析した遷移金属イオンが粒界拡散を促進したことによるものと考えられる。