抄録
近年,10T(テスラ)級の強磁場下では大きな磁化を持たない常磁性体や反磁性体の微構造や特性に影響を及ぼすことが明らかになってきた.そこで我々は層状複水酸化物(LDH)に注目した.LDHとは[M(_II_)1-xM(_III_)x(OH)2]x+[An-x/n・YH2O]で表される層状構造を持った粘土鉱物の総称である.ホスト層を構成する金属イオン,層間の交換性アニオンは様々なものに置換が可能であることが知られている.そのユニークな性質から様々な応用が期待されている材料である.本研究では,金属イオンを数種の金属イオンに置換,また,様々なアニオンをインターカレーションし、強磁場を加えることによって構造と特性にどのような変化を与えるかを検討した.