抄録
種々のグレインサイズを有するチタン酸バリウム(BT)セラミックスを作製し,グレインサイズが誘電特性あるいは圧電特性にどのように影響するのか検討した。粒径50-100nmのBT粉末をCIPにより成形した後,従来法および2段階焼結法の2種類の方法により焼成を行った.種々の焼成温度でBTセラミックスを作製した結果,1~13 µmの範囲でグレインサイズを制御することができた.これらの試料について評価したところ,グレインサイズの減少にともない,誘電率や圧電d定数が増加することがわかった.また,TEM観察より,グレインサイズが小さいほど,ドメインサイズが小さくなることがわかった.すなわち,ドメインサイズが小さいほど誘電率や圧電d定数が高くなったといえる.この起源については当日報告する。