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本島 怜, 相澤 守
セッションID: 1A17
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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我々はこれまでにアパタイト単結晶ファイバーから三次元培養可能な細胞の足場材料(アパタイトファイバースキャフォルド; AFS)の創製に成功している。しかしながら、臨床的に利用するにはAFSは力学的強度が不足しているため、本研究ではAFSの高強度化を試みた。
その試みとして、1) 成形時の一軸加圧および2) 径の異なる二種類のカーボンビーズ(気孔形成剤)を用い、新規な気孔構造をデザインすることでその強度を向上させた。
得られたスキャフォルドは細胞侵入可能なマクロポア(~100 μm)および血管新生や栄養分の供給に必要なミクロポア(~20 μm)を併せ持つ気孔構造を有しており、従来のスキャフォルドよりもその引張圧縮強度(JIS A 1113により測定)を約20倍まで向上させることに成功した。
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寺岡 啓, 加藤 且也
セッションID: 1A18
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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微小ユニットの集積により、任意形状、意図的気孔形状、完全連通孔をもつ多孔体を製造する「モザイク多孔体製造プロセス」を提案している。これまで、リン酸カルシウムセラミックス球状ユニットの試作・集積により、多孔質人工骨セラミックスを実用目標とした上記コンセプトの実証を試みてきた。球状ユニットの集積に関して、再現性の良い集積、間隙構造形成を実現するためには、ユニット形状精度が重要である。本発表では、上記をふまえて開発した、水酸アパタイト製球状ユニットの高精度製造法に関して報告する。上記製造方法の正否を問う評価は、出来上がった球状ユニットの真球度(寸法公差)を基に行う。
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赤澤 敏之, 村田 勝, 田崎 純一, 日野 純, 中村 勝男, 田畑 泰彦, 山本 雅哉, 塙 隆夫, 板橋 孝至, 稲野 浩行
セッションID: 1A19
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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焼成・部分溶解析出法により作製された動物骨由来傾斜機能アパタイト(fg-HAp)は、生体由来の表面構造と細孔分布を有し、表面からバルクへ結晶性と粒子径が傾斜配列する材料である。fg-HAp多孔体は、ラットやマウス背部皮下への埋入実験では、2-4週後で組織体液や血液が容易に浸透し、自己崩壊・吸収が観察された。また、fg-HApは、骨形成蛋白質(rhBMP-2)の吸着・徐放性に優れているため、rhBMP-2担持fg-HApは骨リモデリングを導出する骨誘導性置換材料である。本報では、生体模倣セラミックスの設計と制御を目的として、超音波溶解析出法により吸収性fg-HApを短時間で簡便に作製し、その微細構造と体液浸透性の関係等から、骨再生医療に重要な生体模倣因子を考察した。
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上高原 理暢, 井奥 洪二
セッションID: 1A20
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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リン酸カルシウム多孔体は、骨修復材料として広く用いられている。しかしながら、従来用いられているリン酸カルシウム多孔体は、焼結法により作製されているため、それを構成する粒子の形状や結晶面の制御はされていない。それに対し、我々は、水熱法を用いることで、形態や結晶面を制御したリン酸カルシウム多孔体の合成が可能となることを明らかにしている。本発表では、水熱法で合成したリン酸カルシウム多孔体の合成とその評価について述べる。
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竹内 大輔, 宮崎 敏樹, 石田 英一, 杉野 篤史, 大槻 主税
セッションID: 1A22
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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天然骨はコラーゲン線維とアパタイトで構成されている。この構造に倣いアパタイトを有機高分子と複合化した有機-無機ハイブリッドは、骨と結合する生体活性と天然骨に類似した力学的特性を併せ持つ骨修復用新素材として期待される。本研究では、生体吸収性のポリペプチドであるポリグルタミン酸を基材とした多孔体の作製を試みた。同多孔体の吸収速度を適切に制御すれば,埋入後骨の再生を促すスキャフォールド材料としても有用である。ポリグルタミン酸に架橋剤を添加して多孔質ゲルを作製し、これを種々の濃度の塩化カルシウム水溶液処理した後,ヒトの血しょうの無機イオン濃度とほぼ等しい擬似体液中に浸漬した。その結果,塩化カルシウム水溶液濃度が高まるにつれて,擬似体液中でのアパタイト形成能が向上する傾向を示した。
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一坊寺 崇, 宮崎 敏樹, 石田 英一, 杉野 篤史, 大槻 主税
セッションID: 1A23
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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高分子とアパタイトからなる有機-無機ハイブリッドは,骨と結合する生体活性と天然骨に近い機械的性質を併せ示す新規な骨修復用素材として期待される。材料表面にカルボキシル基を有する高分子は、体液環境下でアパタイトの不均一核形成を誘導することが知られている。ペクチンはカルボキシル基に富む植物由来の多糖類であり、カルシウムイオンの存在下で温度、pHに関係なく架橋してゲルを形成することが知られている。そこで本研究では,塩化カルシウム、酢酸カルシウム、および水酸化カルシウムの3種類のカルシウム塩を用いてペクチンゲルを作製し、これらがペクチンゲルのアパタイト形成能に及ぼす影響を擬似体液中で調査した。
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岩本 奈美子, 杉野 篤史, 植月 啓太, 都留 寛治, 早川 聡, 尾坂 明義
セッションID: 1A24
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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金属チタン表面を熱酸化して得られた酸化チタン層(熱酸化チタン層)は,小久保の擬似体液(SBF)中では通常骨類似アパタイト層を形成しないが,二つの熱酸化チタン基板をある距離(<1 mm)だけ離して対面配置させる(空間デザイン)と,SBF中でアパタイト層を形成する。これを空間デザインによって誘起されるアパタイト析出と呼ぶ。本研究では,ステンレス基板上に自己組織化単分子膜を作製することによって正や負に帯電した基板表面を作製し,基板の帯電状態の組み合わせや,隙間幅を変化させ, SBF中でのアパタイト析出の有無及び形成範囲を観察した。この結果から,空間デザインを施した基板の帯電状態とアパタイト析出の関係を考察した。
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川西 孝治, 都留 寛治, 早川 聡, 尾坂 明義
セッションID: 1A25
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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材料表面の粗さは初期の細胞接着性および細胞増殖に影響することが知られている。金属チタンは強靱性,耐腐食性,優れた細胞適合性を持つことから,歯科や整形外科などの広い分野でインプラント材料として用いられている。本研究では,鏡面研磨した金属チタン基板に600℃で1hから12hまで熱処理を施すことで,表面に様々なナノスケールの粗さを有する酸化チタン層を作成し,表面粗さと骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)の細胞増殖性の関係を調査した。細胞増殖性は6h熱処理を施した基板上で顕著に増加した。このことから,ナノスケールの表面粗さが細胞増殖性に強く影響していることが示唆された。
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岡田 伸之介, 伊藤 寛之, 長井 篤, 小茂鳥 潤, 今井 宏明
セッションID: 1A26
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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本研究では,表面のナノ構造を制御した水酸アパタイトを合成し,その表面における骨芽細胞の接着挙動を検討した.平滑な水酸アパタイト基板や,表面にマイクロメータースケールのシート状結晶を持つ基板では,骨芽細胞は良好な接着性,増殖性を示した.それに対し,表面にナノメータースケールの繊維状,針状,シート状結晶を持つ水酸アパタイト基板上では,骨芽細胞の接着は見られたものの,時間の経過に伴いその数が減少していくことが明らかになった.
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小幡 亜希子, 徳田 真吾, 太田 義夫, 春日 敏宏
セッションID: 1A27
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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当研究室ではこれまでに、ケイ素徐放能を付与した炭酸カルシウム・ポリ乳酸複合体について検討している。ケイ素は骨芽細胞をはじめ骨形成性細胞の活性を促進させることから、ケイ素徐放能を付与することで、細胞活性促進型の新規複合体スキャホールドの作製が期待できる。本研究では、種々のケイ素含有炭酸カルシウム粉末を用いて複合体を作製し、細胞培地中でのケイ素徐放量の制御を試みた。さらに、得られた複合体の細胞親和性について検討した。細胞実験ではマウス由来骨芽細胞様細胞を用い、細胞の増殖と石灰化に対する複合体の影響について検討した。
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渡部 俊也, 吉田 直哉
セッションID: 1B01
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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屋外などの環境雰囲気中では、極端な濡れ性、すなわち超親水性や超撥水性を長期にわたって維持することは難しい。しかし光触媒作用を利用することによって、極限濡れ性とも言うべき状態を維持することが可能となった。親水性と光触媒との組み合わせに関して90年代に大きな技術的飛躍があったが、最近になって超撥水性に関する研究にも進展があり、さらには、高度な動的撥水表面と光触媒の組み合わせが可能になりつつある。本報告では、1.光触媒による超親水性(TiO2他)、2.超撥水性と光触媒(Tiドープアパタイト他 )、3.高度な動的撥水性と光触媒との組み合わせ(HfO2-TiO2系材料他)、の3つのテーマについて講演を行う。
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鳩野 広典, 常田 昌広, 清原 正勝
セッションID: 1B03
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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セラミック膜の常温形成技術であるエアロゾルデポジション法を用いて,サブミクロン粒子径のアナタース型酸化チタン(TiO
2)微粒子を原料とし,ガラス,金属基材上に膜厚200~1000nmの膜を形成させた.これらの表面形態,構造の観察と紫外線照射による光触媒超親水性効果の評価を行った.このAD酸化チタン薄膜はアズデポジションでは親水性を呈しないが,300℃以上の比較的低温熱処理により,接触角がほぼ0°となる超親水性を発揮した.また膜厚の厚いほど親水効果は高まった.
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永井 裕己, 長谷川 萌, 原 広樹, 望月 千尋, 鷹野 一郎, 佐藤 光史
セッションID: 1B04
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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分子プレカーサー法は,アニオン性錯体のアルキルアンモニウム塩を含むコーティング溶液を利用する化学的成膜法である。Ti-edta錯体を含むプレカーサー溶液をガラス基板上に塗布し,Ar中で熱処理して部分窒化アナターゼ薄膜を形成後,空気中で熱処理して酸素欠陥をもつアナターゼ薄膜を形成した。薄膜によるメチレンブルー退色反応を紫外光照射下で評価した。その擬一次反応速度定数は,同条件で形成したゾルゲル法による薄膜に比べて約2倍を示した。この薄膜のXPSによりO/Ti=1.5であることが分かり,酸素欠陥が光反応高効率化の重要な一因子であることが示唆された。また,熱処理温度を変えてルチル薄膜を形成し,その薄膜の光反応性も評価した。
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有光 直樹, 中島 章, 亀島 欣一, 小暮 敏博, 岡田 清
セッションID: 1B05
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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酸化チタン表面は紫外線照射により超親水性を示す。その表面では、吸着有機物の酸化分解や水分子吸着等の変化が生じることが様々な手法によって明らかになっている。これまでに我々は、原子間力顕微鏡を用いてアナターゼ多結晶薄膜やルチル単結晶の表面粗さや表面摩擦力の変化について評価を行ってきた。本研究では鏡面研磨したルチル焼結体を用い、酸化チタン多結晶表面の粒子間または粒界近傍と粒内での紫外線照射による変化の違いを摩擦力顕微鏡(FFM)を用いて評価し、光誘起親水化に及ぼす影響について検討を行った。
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柳田 さやか, 中島 章, 亀島 欣一, 佐々木 高義, 岡田 清
セッションID: 1B06
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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ヘテロポリ酸は酸触媒として利用されている物質で、紫外光によって励起する光触媒としても知られている。最近、酸化チタンとヘテロポリ酸の一種である12-タングストリン酸を複合化することにより、光触媒能が向上することが報告された。このような複合系では酸化チタンの励起電子がヘテロポリ酸によってトラップされ、光触媒活性が向上すると考えられている。そこで本研究では、酸化還元電位のそれぞれ異なる数種のポリ酸を酸化チタンと複合化し、ヘテロポリ酸の酸化還元電位が複合体の光触媒活性にどのように影響するかを調査した。
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Jitputti Jaturong, Sorapong Pavasupree, Yoshikazu Suzuki, Susumu Yoshi ...
セッションID: 1B07
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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Size-controllable flower-like TiO
2. superstructure was successfully prepared by simple hydrothermal method from amorphous TiO
2 sphere precursor without any template. The as-prepared samples possess titanate nanosheet structure with high surface area in the range of 290.1 to 350.7 m
2g
-1. Upon thermal treatment at 500
oC, the titanate nanosheets were converted into anatase TiO
2 with deformation of their structures. The as-prepared flower-like titanate showed high photocatalytic activity for H
2 evolution from water splitting reaction. Moreover, the sample heat treated at 500
oC exhibit higher photocatalytic activity than that of commercial TiO
2 anatase powder (ST-01).
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村越 世理花, 手嶋 勝弥, 鈴木 孝臣, 湯葢 邦夫, 宍戸 統悦, 大石 修治
セッションID: 1B08
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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Na
2Ti
3O
7やNa
2Ti
6O
13などいくつかのチタン酸塩は,紫外光照射下で光触媒特性を示すことが知られている。光触媒として応用する場合,目的基材に固定しなければならない。本研究では,塩化ナトリウムフラックス冷却法により,金属チタンメッシュ表面に光触媒チタン酸塩ウィスカー層を形成することを目的とした。また,育成温度および保持時間などの実験条件の光触媒チタン酸塩構造への影響を調査した。塩化ナトリウムフラックス育成の結果,基材に用いたチタンメッシュは中空状の酸化チタン層に変化し,その表面から自形の発達したウィスカーが放射状成長することがわかった。
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山本 恵里, 今井 宏明
セッションID: 1B09
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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二種類の可視光応答型光触媒を複合化すると、高エネルギー準位の光触媒から低い準位の光触媒へ励起電子・正孔の移動によって、再結合が抑制され、郊率が向上する場合と、二段階励起による高い酸化力・還元力が達成される場合とが考えられる。本研究では、窒素ドープアナターゼとルチル、窒素ドープアナターゼと酸化タングステンの複合化による光触媒活性の変化を測定し、複合化光触媒における電荷移動メカニズムを考察した。
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松本 太輝, 橋本 佳男, 井伊 伸夫, 大谷 文章, 酒井 勝, 村上 泰
セッションID: 1B13
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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チタニアシートと有機配位子からなる層状無機/有機複合体を前駆体とし、アンモニア水処理と焼成によって、窒素ドープ型酸化チタンを合成した。前駆体に複合化させる配位子量を変化させることによって、結晶性や比表面積を大きく変化させることなく、窒素ドープ量を精密に制御することができた。
紫外光照射下での光触媒活性は窒素ドープ量が多くなるほど低下した。一方、可視光照射下での光触媒活には極大値があり、[N]/[Ti] = 0.0125の試料に関して2 % 以上という極めて高い見かけの量子効率が得られた。
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松永 紘明, 津村 朋樹, 豊田 昌宏, 衣本 太郎
セッションID: 1B14
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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TiO
2光触媒の可視光応答化の方法の一つとして,遷移金属をドープすることが知られており,その活性は選択された遷移金属の種類とドープ量によって変化することが報告されている.本研究では,水熱法によりTiO
2にCeまたはNiをドープし,これらを700℃で焼成することで光触媒試料を調製した.試料の光触媒能は,可視光照射におけるフェノールの分解により評価し,CeまたはNiドープ量が光触媒能に与える影響を検討した.XRD測定よりCeまたはNiを0~1.0 mol%ドープしたTiO
2は全てアナターゼ型TiO
2であった.ドープした試料全てが可視光応答性を示しNiを1.0 mol%ドープした試料が最も高活性であった.
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殷 しゅう, 劉 斌, 張 沛霖, 森川 健志, 山中 健一, 佐藤 次雄
セッションID: 1B15
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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鉄或は白金担持窒素ドープ酸化チタンの可視LED光源によるdeNO
x光触媒活性を検討した。窒素ドープ酸化チタンに比べ、鉄或は白金担持することによって、2.5Wの単色可視LED光源によるdeNO
x光触媒活性は大幅に向上することができた。 波長 = 627 nm 及び 530 nmの長波長において、約16%及び28%のNO
xを連続的に分解除去できることが分かった。尚、可視光触媒活性と単色LEDランプの波長との依存性も明らかにした。
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麻田 志帆, 幸塚 広光
セッションID: 1B16
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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湿式太陽電池は太陽光の有効利用のため、可視光応答型の光陽極材料が求められている。本研究室ではこれまで、TiO
2とα-Fe
2O
3とを積層させることにより、TiO
2単独に比べ、可視域での量子収率が増大することを報告している。一方、Mn
2O
3はFe
2O
3と同程度のバンドギャップを持つと考えられるが、光陽極材料としての研究報告はほとんどなされていない。そこで本研究では、ゾル-ゲル法によりTiO
2-Mn
2O
3系薄膜を作製し、Ti/Mnモル比等作製条件が光電気化学的性質に与える影響について調べた。
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趙 志剛, 宮内 雅浩
セッションID: 1B17
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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出発原料をタングステン塩、溶媒、構造制御剤とし、密閉容器で加熱処理することで壁細孔を有する酸化タングステンナノチューブの合成が可能となった。このナノチューブは粒子径数十nmの微粒子の集合体で形成され、外径は数百nmであり、内孔と壁細孔からなるマルチ細孔構造を有する。この酸化タングステンナノチューブは高い比表面積をもち、可視光を効率的に散乱するため、優れた光触媒活性を有し、市販の酸化タングステンや窒素ドープ型酸化チタンよりも著しく高い可視光活性を発現した。本材料の製造方法は簡便で大量合成可能のため、室内用途への応用が期待できる。
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宮内 雅浩, 陳 広新, 清水 博
セッションID: 1B18
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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湿式法によりカーボンナノチューブの表面に結晶性酸化チタン微粒子を表面修飾した。この複合粒子を高分子に分散させたコンポジット材料は高い機械的強度を有する。一方、このコンポジット材料に紫外線照射をおこなうことで、表面近傍の高分子が光触媒作用により分解し、カーボンナノチューブが露出するために高い導電性と光触媒が付与される。カーボンナノチューブが高分子への紫外線の進入を遮蔽するため、光触媒による分解は表面近傍に留まり、長期の紫外線照射後も高分子の機械的強度を損なうことは無かった。本技術は高強度、高伝導(帯電防止)、高い光触媒活性といった機能を併せ持つプラスチック材料への応用が期待できる。
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下村 彩, 永井 正幸
セッションID: 1B19
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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層状構造を有するKTiNbO5のTi4+サイトへCo2+の置き換えにより、可視光応答型光触媒の作製を試みた。このとき、Ti4+とCo2+の置き換えで生じる電荷の不釣合いを解消するために、KTi1-xCo1/3xNb1+2/3xO5になるように出発物質のモル比を調整し、Co2+だけでなくNb5+もTi4+サイトへ置き換えることで電荷補償を試みた。また、作製方法の検討として、固相法と錯体重合法を用いて、作製した試料の生成物質の比較を行った。
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石原 達己, 萩原 英久
セッションID: 1B20
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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光触媒による水の完全分解は次世代エネルギー媒体として期待される水素の製造方法として期待される。本研究ではKTaO
3系無機触媒への色素の増感が光分解活性に及ぼす影響を検討するとともに、色素の構造や酸化還元電位が完全分解活性に及ぼす影響を報告する。さらに、色素の複合効果による電子的な相互作用が、光分解活性に及ぼす影響についても報告する。色素として酸化還元電位が-0.8V程度の電位を有する触媒は大きな正の増感効果を示すことを見出した。
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堤 阿紀子, 荒山 恵志, 光山 知宏, 池上 啓太, 町田 正人
セッションID: 1B22
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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紫外光照射下において水の完全分解を達成する層状タンタル酸塩LiCa
2Ta
3O
10は、加熱処理により光触媒活性が飛躍的に向上する。本研究では、加熱処理の効果を検証するため、還元処理および再酸化処理を経て得た0.5wt.% NiO
x/LiCa
2Ta
3O
10を様々な条件下で加熱処理することにより、水分解光触媒活性に及ぼす影響を評価した。構造解析の結果、加熱処理による層間距離の減少は、層空間の縮小ではなく、Ta-O結合距離の減少に伴うペロブスカイト層の厚みの減少が原因であることが証明され、水分解光触媒の高活性化因子の可能性が示唆される。
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椎葉 智司, 池上 啓太, 町田 正人
セッションID: 1B23
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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水熱合成したCd
xMn
1-xSは,0.1 M Na
2S / 0.5 M Na
2SO
3犠牲剤溶液中において,500 W 高圧Xe ランプ照射(≥ 420nm)により水素を発生した.水素発生速度はx = 0.8付近で90
μmol / hと最大を示し,0.5wt% RuO
2担持によってさらに向上した.同じ条件で合成したMnS,CdSそれぞれと比較しても,RuO
2未担持においてはCd
xMn
1-xSのほうがはるかに大きい水素発生速度を示した.結晶性や純度の向上によりさらなる光触媒活性が予想され,新規複合硫化物としての期待ができる.
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畠山 拡才, 上松 和義, 石垣 雅, 戸田 健司, 佐藤 峰夫
セッションID: 1B24
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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イオン交換可能な層状ペロブスカイト化合物は、層間を反応場として利用することで活性の向上が報告されている。層状ペロブスカイト構造の一つとしてAurivillius相があることが知られている。本研究では、層間に酸化ビスマスシートを有するAurivillius相に類似した構造を持つBi4TaO8Clに着目した。Aurivillius相は層間の酸化ビスマスシートを塩酸処理し、選択的にH+に交換する層間溶解が可能である事が報告されている。この手法により、Bi4TaO8Clの層間を溶出させ、層空間を水分解反応における反応場として利用することで活性の向上を目指した。
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渡部 善之, 手塚 慶太郎, 単 躍進, 井本 英夫
セッションID: 1B25
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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いくつかの複合金属酸化物を固相反応法で合成した。これにH2PtCl6溶液を用いた光析出法で、2wt%のPtを担持した。これらの粉末をそれぞれメタノール中に浸し、スターラーで攪拌させてXeランプを照射し、発生ガスをガスクロマトグラフで分析した。ランプの紫外線をミラーでカットして可視光のみを照射した場合でもH2の発生が見られた。
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植田 紘一郎, 松本 勇磨, 冨田 恒之, 藤田 一美, ヴァレリー ペトリキン, 垣花 眞人
セッションID: 1B26
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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本研究では,ペルオキソタンタル酸錯体を原料としたオキシダントペルオキソ法を用いて、助触媒なしで水分解光触媒として高活性を示すLiTaO3を合成した。500℃で焼成したところ、前駆体はLiTaO3として結晶化した。水分解活性は、紫外光内部照射型閉鎖系を用いて測定し、ガスクロマトグラフィーで発生気体を定量した。700℃焼成の試料が最も高い水分解活性を示した。また、スプレードライ法で前駆体溶液を乾燥した結果、球状のLiTaO3が得られた。
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小柳 嗣雄
セッションID: 1B27
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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化学産業、化学企業においては、グリーン・サステナブル・ケミストリ(GSC)を経営戦略の一環と位置づけ、エネルギー・資源・環境問題に取り組み持続可能な社会への貢献を進めている。このグリーン・サステナブル・ケミストリーを進める上で重要な技術として触媒技術が位置されている。当社はゼオライトを中心として固体酸触媒のしにせである。このゼオライト触媒技術をメインに、ナノ構造テクノロジーを加味したGSCを推進する新しい触媒開発に取り組んでいる。
今回の発表では、以下について報告する。
1) チタニアナノチューブを用いた可視光触媒技術
2) ゼオライトに貴金属担持した硝酸性窒素分解触媒プロセス
3)ナノゼオライトを用いたアルキレーション触媒技術
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浅田 智代, 西 正之, 下間 靖彦, 三浦 清貴, 平尾 一之
セッションID: 1D01
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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チオール基をもつシランカップリング剤である(3-メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(MPTMS)を用いた簡便な液相合成法により、特異な形状を持つ単結晶の金ナノ・マイクロ粒子を合成した。これまでに、合成条件を変えることで、二次元的に成長した三角形・六角形のプレート状粒子、一次元的に成長したワイヤー・ベルト状粒子、どの方向にも成長が促進されないために極端にサイズが小さい0次元的な多面体粒子など、様々な形状の粒子が得られている。このような生成物の形状の違いに、チオール基の吸着・還元作用だけでなくメトキシ基の加水分解重縮合反応が大きく影響していることが期待される。
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中川 知拓, 郷間 雅樹, 岸 哲生, 西尾 圭史, 安盛 敦雄
セッションID: 1D02
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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ナノサイズの金微粒子は表面プラズモン共鳴(SPR)による可視吸収スペクトルを示し、そのスペクトルは金微粒子表面近傍の誘電率、つまり屈折率に対して著しく敏感であることが知られている。このため、近年ではバイオ・化学センサデバイスとしての応用が期待され、活発に研究されている。そこで測定方法および装置が簡便なSPR化学センサの開発を目指し、そのセンサチップとしてゾルゲル法を用いて金微粒子担持シリカゲル薄膜複合板ガラスを作製した。種々の有機溶媒に対してスペクトル変化を測定した結果、溶媒の屈折率に応じて線形的なSPR吸収波長のシフトを示すことを確認した。
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三村 憲一, 守谷 誠, 坂本 渉, 余語 利信
セッションID: 1D03
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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BaTiO
3は、強誘電性や圧電性、高誘電率などの有用な電気特性を示すため、多くの電子デバイスに応用されている。また、非線形光学効果および電気光学効果を示すため、電子-光学デバイスへの応用が期待されており、透明かつ均一な材料の作製が求められる。本研究では、ナノ粒子の有機マトリックス中への均一分散が可能である無機-有機ハイブリッド材料に着目し、出発原料として反応性の高い金属アルコキシドを用い、加水分解反応を利用して結晶化させることで、結晶性ナノ粒子を室温~100℃程度の低温かつ低エネルギー合成が可能な低環境負荷プロセスとして期待されているゾル-ゲル法によるBaTiO
3ナノ粒子/ポリマー透明ハイブリッドの合成および評価を行った。
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大野 工司
セッションID: 1D04
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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表面開始リビングラジカル重合法により、ポリマーブラシ付与微粒子を合成した。さらに、その複合微粒子の2次元、3次元秩序配列構造を形成させることに成功し、新しいタイプのコロイド結晶を開発した。
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林 幸壱朗, 守谷 誠, 坂本 渉, 余語 利信
セッションID: 1D06
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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末端にC=Cを有する鉄-有機化合物の加水分解・縮合により、マグネタイトナノ粒子を合成した。得られたマグネタイトナノ粒子には、末端C=Cを有する有機配位子がキレート配位している。そのC=Cを利用し、アジドをマグネタイトナノ粒子に修飾した。また、がん選択性を有する生体分子である葉酸にアルキンを導入した。これらを用いて、アルキン-アジドClick反応により、マグネタイトナノ粒子に葉酸を修飾した。葉酸を修飾したマグネタイトナノ粒子の粒径は加水分解条件に依存しており、その粒径は均一であった。また、磁気特性および発熱特性を評価し、磁気ハイパーサーミアの発熱素子への応用が可能であることを確かめた。
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片桐 寛, 忠永 清治, 辰巳砂 昌弘
セッションID: 1D07
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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酸-塩基触媒ゾル-ゲル法によって調整したフェニルシルセスキオキサン (PhSiO
3/2) 粒子の表面をメチルシルセスキオキサン (CH
3SiO
3/2) で修飾した。得られた微粒子を種々の有機溶媒で洗浄することにより、様々な殻の厚さのPhSiO
3/2中空粒子の作製に成功した。エタノールで洗浄した場合、比較的殻の厚い中空粒子が得られた。THFで洗浄した場合は、非常に殻の薄い中空粒子を得ることができた。有機溶媒の種類によってPhSiO
3/2コア成分の溶出量が変化するためであると考えられる。さらに、得られた微粒子の応用として、電気泳動電着法を用いて厚膜を作製した。厚さ約10μmの膜を作製することができた。
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阪本 樹, 下嶋 敦, 黒田 一幸
セッションID: 1D08
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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アルキルシランをコアとして、3つのジシロキサン鎖が結合した構造の新規アルキルアルコキシシロキサンの合成に成功した。この分子はアルコキシ基の加水分解によって親水部と疎水部を併せ持つ両親媒性分子となり、溶媒の揮発にともなって自己組織化、縮重合する。得られた生成物はメソスケールの規則構造を持つハイブリッドであることをX線回折分析および電子顕微鏡観察により確認した。このとき、溶媒であるTHFと水の混合比を変化させることによって、異なるメソ構造が生成することも明らかにした。また、生成物を焼成し、アルキル鎖を除去することによって構造の多孔化も試みた。
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武井 貴弘, 米崎 功記, 熊田 伸弘, 木野村 暢一
セッションID: 1D09
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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リン酸ジルコニウムに有機シラン分子を導入した、シリル化リン酸ジルコニウムを用いて、電気化学処理により有機-無機複合配向膜の作製に成功した。また、電気化学処理時にアニリンモノマーを添加することで、シリル化リン酸ジルコニウムの層間に有機シラン分子修飾され、さらにポリアニリンがインターカレーションした高次構造が構築できたことが予想された。また、これらの電気化学特性を評価した結果、有機シランを導入していないポリアニリンとの複合膜と比較して、ポリアニリン単位重量あたりのキャパシタンスは約2倍程度増加することがわかった。これは有機シラン導入によってイオンの拡散パスが形成されたためであると推測される。
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緒明 佑哉
セッションID: 1D18
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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バイオミネラリゼーションにならい、常温・常圧の水溶液プロセスにおいて2種類の無機有機ナノ複合体の作製を行った。結晶と有機高分子およびアモルファスナノ粒子と有機高分子のナノスケールでの複合化と組織化について、いくつかの例をもとに構造とマクロスケールまでの階層的な形態制御、さらに機能化について最近の結果を報告する。
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折戸 暁則, 幸塚 広光
セッションID: 1D20
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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従来のゾル-ゲル法によりセラミック薄膜を作製するためには、数百
oCでのゲル膜の焼成が必要である。したがって、この方法により有機高分子材料のような熱に弱い基板上へのセラミック薄膜の作製は困難となる。そこで演者らは、金属アルコキシドを用いた従来のゾル-ゲル法により室温で成膜したTiO
2ゲル膜を、焼成に代わる熱処理方法として水熱処理を適用することによってTiO
2セラミック薄膜の作製を試みた。実際には、ゲル膜の作製や水熱処理の条件が、膜の性状や結晶相および結晶子サイズなどの諸性質に及ぼす影響を調べた。
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Xaingwen Liu, Shu Yin, Tsugio Sato
セッションID: 1D21
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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Because of the damaging effects of UV-rays many kinds of UV-shielding materials have been developed. For example, fine powders of titania (TiO2), zinc oxide (ZnO) and Calcia-doped ceria (Ce1-xCaxO2-x) (donated as: CDC) etc. Generally, the using feeling and the covering on skin of inorganic nanoparticles are not so satisfying, so the plate-like particles are often used to improve the comfort and covering ability. Here, in order to improve the using feeling and at the same time ensure the UV-shielding ability different methods are developed to coat the plate-like potassium lithium titanate (donated as: PLT) substrate with CDC nanoparticles.
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Chen Deliang, Gao Lian, 安盛 敦雄, 黒田 一幸, 菅原 義之
セッションID: 1D22
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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高い比表面積を持つ単斜晶WO
3ナノプレートを2次元の構造を持つハイブリッド(C
8H
17NH
3)
2WO
4から合成した。(C
8H
17NH
3)
2WO
4はベルトあるいはリボン状の形状であったのに対し、これを熱分解して得られたWO
3ナノプレートは、厚みが10-30 nm、ラテラル方法のサイズが (200-500) nm × (200-500) nm程度のナノプレートであり、厚み方向が[002]となっていた。XRDとEDから、生成物は単斜晶WO
3であることがわかった。生成物の比表面積は約180 m
2 g
-1と非常に高い値を示した。得られた生成物の光触媒活性を調査したところ、Ag
+イオンの存在下で水からの水素発生が確認された。
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南舘 正宙, 殷 シュウ, 山根 久典, 佐藤 次雄
セッションID: 1D23
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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CeO2粒子は高温での高い安定性、高硬度、酸素吸蔵能、特異なUV吸収特性を持ち関心が集まっている。また、ナノ粒子は形態、サイズにより特性が大きく変化する。このため形態、サイズの制御により特定の機能の強化、不要な機能の抑制を行うことにより材用の高性能化が期待できる。よって溶液法により、CeO2粒子の形態制御を行った。
Ce(NO3)3とNaHCO3を室温で反応させることにより板状前駆体を生成した。この前駆体を焼成することにより板状CeO2粒子を得た。また、前駆体及び生成した粒子の特性評価を行った。
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斉藤 碧, 殷 シュウ, 佐藤 次雄
セッションID: 1D24
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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無機紫外線遮蔽剤であるセリアは、可視光領域における透明性に優れ、光触媒活性が低いという特長を有している。また、体質顔料として用いるには、肌上での感触に優れた長径数ミクロンの板状の形態が求められる。当研究者らは、層状構造を有する金属リン酸塩に着目し、水熱法によって板状含水リン酸セリウムを合成した。しかし得られた物質はセリウム四価の化合物であり、酸化触媒能が比較的高いために、有機物の酸化を促進してしまう。そこで、熱処理により含水リン酸セリウムの相変化について検討を行い、板状の形態を維持したまま酸化触媒能の低い物質を合成した。
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尤 玉, 塗 溶, 後藤 孝
セッションID: 1D25
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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α-Al
2O
3は高硬度、低い熱伝導率、高温でも優れた化学的安定性を有することから、切削工具へのコーティングとして広く用いられている。一般的に、α-Al
2O
3膜はハライドCVD法により合成されているが、成膜温度が1300 K以上で、HClなどの副産物による工具材料および装置の腐食が大きな問題となっている。そこで、本研究では、短波長高密度の半導体レーザーを用いて、原料化合物を熱的、光的に励起することによって成膜の低温化および高速化を試み、結晶相、結晶配向および微細組織に及ぼす成膜条件の影響について調べた。約1000 Kの低温でもα-Al
2O
3単相膜が得られ、熱CVD法より約300 K低かった。また、膜の成長速度は最大300 μm / hであり、熱CVDの数十から数百倍であった。
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橋本 雄大, 井上 幸司, 橋本 忍, 本多 沢雄, 岩本 雄二
セッションID: 1D26
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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現在、実用化されている透明導電膜にはIn
2O
3に少量 のSnを添加したITOが用いられているが, Inはレアメタルで、高価であることなどから代替材料が求められている.本研究では, Mg
2SnO
4に着目し,CSD法によりMg
2SnO
4膜を石英ガラス基板上に成膜し,種々の作製条件により透明化および低抵抗化を試みた.
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公 衍生, 塗 溶, 後藤 孝
セッションID: 1D27
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
会議録・要旨集
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TiN
x films were prepared by laser chemical vapor deposition (LCVD) with tetrakis (diethylamido) titanium (TDEAT) and ammonia as source materials. The effects of laser power, total pressure in a chamber, pre-heating temperature and flowing rate ratio of Ar to NH
3 on the composition, microstructure and deposition rate of TiN
x films were investigated. TiN
x films in a single phase with faceted texture and columnar cross section were obtained. The orientation of (111) increased with decreasing laser power, total pressure. The compositional ratios of N and Ti were in the range of 0.91-0.98 at deposition temperature of 700-1020 K. The deposition rate of TiN films decreased with increasing of total pressure and laser power, showing a maximum deposition rate of 90 μm/h at P
L = 100 W, P
tot = 400 Pa and T
dep = 870 K.
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藤江 健吾, 塗 溶, 後藤 孝
セッションID: 1D28
発行日: 2008年
公開日: 2009/02/07
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SiCは耐磨耗性や耐酸化性に優れるため、金属への硬質コーティングなどの応用が期待されている。SiC膜は一般的に化学気相析出法(CVD法)により作製されるが、ハライド原料を使用するため塩化水素発生による基板や装置の劣化などの問題がある。そこで本研究では、ヘキサメチルジシラン(HMDS)を原料とし、H
2無添加で、CO
2レーザーを用いたCVDによるSiC膜の高速合成を試みるとともに、膜の微細構造、結晶配向および成膜速度に及ぼす成膜条件の影響を調べた。いずれの条件下でも(111)配向したβ-SiC単相膜が作られた。レーザー出力の上昇につれてβ-SiCの(111)配向が顕著になり、成膜速度は上昇し最大1700μm/hであった。
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