抄録
機能性ナノ粒子を複合材料等に応用する際には、その分散性を維持して表面状態を制御することが重要である。本研究では水溶液中で高度に分散したTiO2ナノ粒子を対象とし、その分散状態を維持したままシランアルコキシドで表面修飾する手法を報告する。この手法を用いて疎水性有機官能基を有するシランカップリング剤で修飾したTiO2ナノ粒子は、乾燥操作を経てもトルエンやヘキサンを始めとした非極性溶媒に一次粒子まで再分散可能であった。また、これまで困難であったメタノール・NMPなどの極性溶媒を含む溶媒へのナノ粒子の均一分散についても、粒子表面に導入するカップリング剤の種類や量を制御することによって実現した。