抄録
Na2Ti3O7やNa2Ti6O13などいくつかのチタン酸塩は,紫外光照射下で光触媒特性を示すことが知られている。光触媒として応用する場合,目的基材に固定しなければならない。本研究では,塩化ナトリウムフラックス冷却法により,金属チタンメッシュ表面に光触媒チタン酸塩ウィスカー層を形成することを目的とした。また,育成温度および保持時間などの実験条件の光触媒チタン酸塩構造への影響を調査した。塩化ナトリウムフラックス育成の結果,基材に用いたチタンメッシュは中空状の酸化チタン層に変化し,その表面から自形の発達したウィスカーが放射状成長することがわかった。