抄録
窒化ホウ素(BN)は電気絶縁体では最高の熱伝導率を持つことが知られている。そのため、BNナノシートとポリマーの複合材料を作製することにより、IC基板などへの応用が期待される。この応用の為には、BNの有する異方性を更に顕著にするためにナノシート化することが有効となる。近年、液中レーザーアブレーション(液中LA)における極限場を利用することにより、ロッド状、シート状などの特異な形状をしたナノ材料の合成が可能であることが報告されている。そこで、本論文においては、本質的にシート形状になりやすいBNに対し、液中LAを適用することでどの様な形態変化がもたらされるかについて検討を行った。合成方法はメタノール中にBN焼結体をセットし、これにパルスレーザーを照射した。作製した試料はTEM、SEM観察、XRD、FT-IR解析を行った。解析結果より作製した試料は大面積BNナノシートとなることを見いだした。