抄録
アルキルシランをコアとして、3つのジシロキサン鎖が結合した構造の新規アルキルアルコキシシロキサンの合成に成功した。この分子はアルコキシ基の加水分解によって親水部と疎水部を併せ持つ両親媒性分子となり、溶媒の揮発にともなって自己組織化、縮重合する。得られた生成物はメソスケールの規則構造を持つハイブリッドであることをX線回折分析および電子顕微鏡観察により確認した。このとき、溶媒であるTHFと水の混合比を変化させることによって、異なるメソ構造が生成することも明らかにした。また、生成物を焼成し、アルキル鎖を除去することによって構造の多孔化も試みた。