抄録
BaTiO3系強誘電体セラミックスにおける巨大な誘電率には、ドメイン壁の振動が大きな役割を果たしていると考えられている。ドメインに起因する誘電率の発現メカニズムを知るために、MHzからGHz領域における誘電分散の測定が試みられているが、誘電分散の全体像を捕らえるまでには至っていない。本研究では試料の同一面に形成した対電極によりSパラメーター(S11)を0.1から20GHzまで測定し、電磁界解析により複素誘電率に変換した。今回評価したBaTiO3系セラミックスでは、1GHz近辺において顕著な緩和型の誘電分散が観察された。