抄録
高い品質係数(Q値)を持つと報告されているZn2SiO4は低温での焼結が困難である。そこで本研究は低温での焼結度を高めるために焼結補助剤の探索を行った。またZnOとSiO2に微量な焼結補助剤を添加し,一般的な焼結法で作製したZn2SiO4焼結体について,相対密度,結晶構造,硬度,低周波帯域での比誘電率とQ値の評価を行った。作製した焼結体は粉末X線回折によりZn2SiO4の結晶構造と同じであることが確かめられた。また相対密度は焼結補助剤を添加しない時に比べて飛躍的に高くなった。さらに硬度,Q値は共に同一の焼結補助剤に対して焼成時間が長いほど高くなった。比誘電率はおよそ10でサファイヤと同程度の値であり,ミリ波への応用が考えられる。