抄録
透明導電膜等への応用が期待されている酸化亜鉛を大面積、低コスト、かつ高い原料利用効率で製膜できる手法の一つとして電気化学的堆積法に着目し、紫外線照射下での薄膜成長を試みた。定電位成長においては紫外線照射によって電解電流が増大した。これは光キャリア生成により酸化亜鉛薄膜の抵抗率が減少したためと考えられる。一方、同一通電量での成長膜厚は紫外線を照射した方が大きくなった。これは、電流値増大により製膜時間が短くなり、その結果成長した薄膜が再溶解する量が少なくなったためと考えられる。得られた結晶粒の形状は、紫外線を照射して成長させた試料の方がよりシャープなエッジを有する六角板状となった。