抄録
スピンコート法により製膜したSnO2:Nb薄膜に対して、電気炉およびサセプターを用いたマイクロ波加熱により800℃で焼成した。得られた試料の抵抗率のNb濃度依存性を測定した結果、Nb濃度1.0 at.%で最小値を取り、マイクロ波加熱により短時間で低抵抗が得られることが分かった。そこで、更なる低抵抗化のため、Nb濃度、温度、焼成雰囲気、製膜回数を変化させ、試料に直接マイクロ波を照射することで焼成を行った。その結果、Nb濃度1.0 at.%、600℃、大気下、3回製膜した試料において本系での最小値2.2×10-3 Ωcmを示した。以上から、マイクロ波加熱により、ゾル-ゲル法を用い製膜したTCO薄膜の低抵抗化の可能性が示された。