抄録
ゾル―ゲル法を用いてギ酸を含むハフニア薄膜を作製し,その薄膜の性質および硬化プロセスを調べた。ハフニアゲル膜に紫外線を10分照射した薄膜は,鉛筆硬度9H以上の高硬度を示した。ゾルの13CNMRスペクトルより,ギ酸イオンはHfイオンにキレートまたは架橋配位していると考えられる。ハフニアゲル膜の硬化プロセスは,FT‐IR(RAS)スペクトルおよびTPDカーブを測定して調べた。それらの結果より,UV照射時間の延長ともないギ酸イオンが減少することが分かった。また,Hfイオンに配位しているOH基は,UV照射により脱離し,その量はUV照射前の量に比べ23%と大幅に減少することがわかった。