抄録
酸化チタン(TiO2)は光触媒材料として広く用いられているが、高温域で光触媒活性の高いアナターゼ型から光触媒活性の低いルチル型へと相変態する。本研究では材料への熱影響が極めて小さい高速成膜法であるコールドスプレー法によるTiO2皮膜作製を試みた。光触媒活性の高いアナターゼ型TiO2粉末を原材料に用い、自作のコールドスプレー装置を用いて成膜実験を行った。実験結果より、緻密かつ50μm程度の厚膜の作製が可能であることが明らかになった。また、得られた皮膜は原料粉末と同じアナターゼ型を維持しており、窒素酸化物除去試験においても原料粉末と同等以上の光触媒特性を示した。