抄録
結晶性チタニア(ルチル)層は,金属チタン基板を100から800℃の温度範囲で熱処理することにより作製した。大気雰囲気下で1時間,紫外線を結晶性チタニア(ルチル)層に照射した。UV照射された金属チタン基板は、in vitroアパタイト形成能を評価するために、7日間まで擬似体液(SBF(小久保溶液))に浸漬された。UV照射された結晶性チタニア(ルチル)層は、3日以内に骨類似アパタイトの形成を誘導した。これは、800℃の熱処理により得られた高結晶性のチタニア層を除けば、紫外線照射が結晶性チタニア(ルチル)層のin vitroアパタイト形成能を促進したことを示唆した。