抄録
表面プラズモン共鳴(SPR)センサーは、素子上空間の屈折率変化を全反射減衰角(SPR角)の変化として測定することが可能であり、生体分子間相互作用の検出に利用されている。この検出空間にセラミックス薄膜を挿入することで、セラミックスと生体分子の相互作用検出に利用できると考えられる。本研究では、SPRセンサーの検出空間に膜厚の異なるチタニアとシリカ薄膜を挿入した素子を合成し、各薄膜が及ぼすSPR角への影響を理論計算と比較調査した。その結果、いずれの薄膜においても膜厚に対するSPR角の変化が理論値と概ね一致し、素子上セラミックス薄膜の屈折率は、SPR測定により推定できることが示された。