抄録
本研究は、チタニアの高含有可能なBaO-TiO2-B2O3系ガラスに遷移金属を添加し、レーザー照射することで位置選択的にガラスから高配向なBa3Ti3O6(BO3)2結晶ラインを誘起させることを目的とした。実験は40BaO-40TiO2-20B2O3-1CuOガラスへレーザーを照射し、書き込んだ結晶ラインをX線回折及び顕微ラマン散乱スペクトル測定により評価した。その結果、電気炉での熱処理によって得られた結晶化ガラスでは未知結晶相が生成しているのに対し、レーザー照射によって書き込んだ結晶ラインでは目的結晶が単相で生成していることが確認された。更に結晶ラインはレーザーの走査方向にc軸配向していることが示唆された。