抄録
水質中の着色剤は、水質の化学的酸素要求量(COD)を増加させる。CODが排水基準を超える場合には、水中からの除去が必要である。本研究では、モノサルフェートを用いて、この問題に対して課題の解決を図っている。実験では、着色物質として、緑色3号、青色1号、黄色4号、および赤色102号を溶液とし、モノサルフェートと混合、振とうして検討を加えた。所定期間振とう後、溶液の着色剤濃度をTOCにより測定したが、0ppmであった。振とう後の固相のXRDパターンでは、通常とは底面間隔の異なるモノサルフェートのピークが確認された。したがって、着色剤はモノサルフェートの層間に固定され、着色剤によって、底面間隔が大きくなったものと考えられる。