抄録
2.4eVという低い仕事関数を有する一方室温で安定な導電体である電子ドープ12CaO·7Al2O3(C12A7:e-)という材料に着目した。C12A7:e-の結晶構造は単位格子あたり12個のナノケージからなり、強還元処理によりドープされた電子はケージ間の~0.1eVのエネルギー障壁をホッピングしながら伝導することが知られている。
そこで、我々はこのナノケージを帯電島や量子ドットとして利用するメゾスコピックデバイスへの利用を最終目標にナノワイヤ加工を検討した。またデバイスに最適なキャリア濃度を実現するために酸素拡散の観点からナノワイヤの部分酸化条件の模索を行った。