抄録
赤外励起蛍光体は,センシングデバイス,オプトデバイスあるいはディスプレイデバイスなどへの応用が期待される。特に,フッ化物結晶を蛍光体のホストに用いた場合,高い量子効率を示すことが知られている。本研究では,フッ化物フラックス冷却法によりNaYF4:Ln結晶を育成し,その近赤外励起発光を観察することを目的とした。生成したNaYF4:Ln結晶は,白色球晶であった。育成条件を制御することで結晶を小型化でき,小さい結晶では平均約230 nmであった。また,Yb3+およびEr3+を共ドープした結晶は赤色あるいは緑色発光し,Yb3+およびTm3+を共ドープした結晶では青色発光した。