抄録
近年、(Ba,Sr)TiO3はマイクロ波帯でも高い誘電率と小さい誘電損失を持つ事から、高周波帯で使用される薄膜キャパシタやマイクロ波帯での強誘電体可変容量キャパシタなどへの応用が検討されている。我々は (100)MgO基板上にスパッタにより(100)Pt電極を成膜し、化学溶液法(CSD)により(Ba0.7Sr0.3)TiO3薄膜を~200nm厚みに形成した。次いでPt電極をスパッタすることでMetal-Insulator-Metal型容量素子を作成してそのマイクロ波帯までの誘電特性を調べ、微細構造をTEMなどにより観察した。その結果、CSD法による成膜プロセス条件を調整することによってBST薄膜の微細構造を制御することができ、ランダムな粒状組織、Epi成長した柱状組織、(100)3軸配向した組織などによるBST薄膜を得た。これらの微細構造の解析結果と誘電特性との関係について報告する。