抄録
チューナブル素子応用のため(Ba,Sr)TiO3の薄膜作製の研究が活発に行われており、MgOやサファイアなどの単結晶基板上に高品質な薄膜が得られている。しかし、マイクロ波導波路の形成には比較的広い面積が必要であるので、低コストな基板材料であるアルミナを用いることができれば、実用上望ましい。そのため、本研究ではアルミナ上へのBST成膜を試みた。
アルミナは多結晶で表面ラフネスが大きいため、良好な配向性やリーク特性が得られなかった。そこで、表面研磨やSiO2の表面コートなどを行い、いずれの場合でも50%以上のチューナビリティを得ることができたが、tanδとリーク特性については平坦性の良いグレーズド基板にて最も良好であり、応用的にはグレーズドアルミナ基板が最適であることが示された。